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イメージング、パワー…… これから注目の技術/座談会編3IHSアナリスト「未来展望」(10)(4/4 ページ)

IHS Markit Technologyのアナリスト5人がエレクトロニクス業界の未来を語り合う座談会編。第3回は、今、注目の技術について語ってもらう。

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パワーデバイスの需要が急拡大する

EETJ 5G、AI、イメージセンサーといった技術を基盤に、さまざまなイメージングシステムが今後のエレクトロニクス業界のけん引役となると皆さんお考えのようですが、他に、これから需要が拡大するテクノロジーや注目されていることはありますか?

南川氏 私は、パワーデバイスの需要が、2018年以降、大きく拡大していくとみており、注目している。

 パワーデバイスの需要が拡大すると予想する根拠は、大きく2つある。1つは、各国がモーターの電力効率に関する規制を2018年以降、強化する見通しであること。モーターの消費電力は、世界の総電力消費の65%程度を占め、最も電力を消費する用途になっている。省エネルギー化を図るには、このモーターでの消費を抑制しなければならず、欧州を皮切りに、規制を強化する見込みだ。現状、日本の白物家電用モーターの大部分がインバーター化されているが、中国などの海外でのインバーター化率は低い。さらに、工業用モーターの80%ほどはまだインバーターを搭載していない。規制により、こうしたモーターにインバーターの搭載が一気に進む見込みで、IGBTをはじめとしたパワーデバイスの需要が急拡大する。

棚町氏 もう1つの需要拡大の理由は?

南川氏 もう1つの根拠は、中国の工場が近年、大幅にレベルアップしたことだ。中国の工場は、近年、人件費の高騰を受けて、かなりの自動化投資を行い、先進的な工場がいくつも生まれている。こうした中国の工場のレベルアップにより、対抗する日本や欧州の工場も、一層の自動化投資、スマートファクトリー化投資を迫られることになる。工場への投資が拡大すれば、工場の機器に不可欠なパワーデバイスの需要が拡大するだろう。

EETJ パワーデバイスの市場規模は、どの程度、成長するのでしょうか。

南川氏 IHS Markitとして公表している予想値はそれほど高くないが、個人的な予想としては、前年比で20〜30%ぐらいの成長を2018年は果たすのではないかと思っている。

AI、スマート化で仕事は減るのか?

李氏 工場が自動化、スマートファクトリー化されていけば、工場から人間は追い出されていくようになる。カメラが、人よりも正確な仕事を、速く、安く、実現してしまうようになった。いずれ、どこかのタイミングで、人の雇用を確保する対策を行わなければならないかもしれない。

杉山氏 日本に限っては人口も減少していくので、働き口は確保しやすいだろうが、大陸では働き口が減るかもしれない……。

棚町氏 工場では、人の仕事はなくなるかもしれないが、その代わりに、全く新しい仕事ができるだろう。江戸時代は大半が農業従事者だったが、今は、農業従事者は減り、農業以外の仕事に就いているように。だから、心配する必要はないと個人的には思う。

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