中国が次に狙うのはEDA業界か Cadence幹部の見解:“中国版Cadence”が欲しい?(2/3 ページ)
AI(人工知能)や半導体などの分野に積極的に投資している中国。Cadence Design Systemsの経営幹部は、中国が次に狙っているのはEDA業界ではないかとの見方を示している。
3nmチップの開発も
Tan氏は、「現在では、7nm/5nmプロセス技術に関するさまざまな開発が進められている。われわれは、ベルギーの研究開発機関であるimecとの協業により、3nmプロセスチップの開発にも取り組んでいる。決して減速してはおらず、むしろ拡大傾向にあるといえるだろう。当社の3大顧客企業も7nm/5nmプロセスへの移行を進めている。今のところ、顧客企業のうち40社が、7nmプロセスチップの開発に取り組んでいるところだ」と述べている。
さらに同氏は、「Qualcommは、7nmプロセス開発において利益率が減少していると主張しているが、PPA(Power、Performance、Area:消費電力、性能、チップ面積)は大幅に向上している。Cadenceのツールは既に、クアッド液浸パターニングとEUV(極端紫外線)リソグラフィに向けて、最適化を完了させたところだ」と付け加えた。
AIに投資する中国
中国は半導体投資の第1段階として、製造分野に多額の資金を投じている。第2段階では、これと同等以上の資金を調達して、設計やIP(知的財産)の構築に重点的に投資するとみられる。
Tan氏は、「中国は、半導体の“自給自足”という明確な目標を掲げている。最近完了した中央政府会議では、半導体は5カ年計画の中で最も重視される項目だった。これについては中国の最高指導者も承認している」と述べている。
中国には既に、HiSilicon Technologyという、トップ5に入るファブレス半導体企業がある。HiSilicon Technologyは、通信機器メーカーのHuaweiが70億米ドルを投じて設立した半導体子会社である。Tan氏は、「中国は、戦略的にAI(人工知能)で世界のトップを目指している。中国のWeb大手であるAlibabaとBaidu、Tencentは、AI開発を非常に積極的に進めている」と述べている。
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