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2018年にもサービス開始、5G開発を加速するAT&TLTEとの動的な共有も想定(1/2 ページ)

5G(第5世代移動通信)の導入は2018年後半から段階的に進むとみられているが、そのためには多面的で準備を整える必要があるようだ。AT&Tのラボチームを率いるマネジャーが、米国テキサス州オースティンで、5G実現に向けた挑戦について語った。

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2018年末にもサービスを開始


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 5G(第5世代移動通信)の導入は2018年後半から段階的に進むとみられているが、そのためには多面的で準備を整える必要があるようだ。AT&Tのラボチームを率いるマネジャーが、米国テキサス州オースティンで、5G実現に向けた挑戦について語った。

 AT&Tは、2018年末までに12の市場において、3GPPのRelease 15に準拠した5Gサービスを利用可能にする計画を明らかにした。このサービスでは、民生ならびに商用機器向けの高速Wi-Fiをサポートする他、28GHz帯を用いた5Gセルラーネットワークに接続する。

 AT&Tの無線技術担当アシスタントバイスプレジデントであるDave Wolter氏は、「ベンダーによって違いはあるが、同サービスでは、400MHzまたは800MHzの帯域幅を用いる予定だ。全てのユースケースにおいて、非常に信頼性の高いギガビットレベルのデータレートを実現する」と述べた。

 「これまで何回かレインフェード(雨による減衰)を経験したが、天候は一部の人たちが考えるほど重大な懸念事項ではない。通信距離が100〜300mと短く、最も離れた場所でも1Gビット/秒(bps)を達成しているからだ。見通し線が形成された所であれば、データレートはさらに高まる可能性がある」(同氏)

 現在、AT&Tのラボチームには、屋外向けの装置がない。そのため、電波は窓を通り抜ける時に減衰してしまう。

ハングオーバーの試験

 2019年には、スマートフォンなどのモバイル機器が5Gに対応し始めるという大きな飛躍が見込まれている。そのための準備として、ラボチームはライトバンを使ったテストを実施している。テストは、AT&Tが4基のアンテナを設置しているテキサス州オースティンで行われている。

 限られたエリアでのビームフォーミングのテストは、まだ始まったばかりだ。今のところ、見通し線を維持した状態で、ライトバンを時速25マイル(時速40km)で走行させながら、基地局間でハンドオーバーを行っている。使用している周波数帯は28GHzである。実際のスマートフォンに搭載されているものよりも性能の良いクライアントアンテナを用いているので、デバイスの通信が切断されることはなく、1.5Gbpsを上回るデータレートを達成しているという。


Dave Wolter氏は、オースティンのAT&Tのテストラボで責任者も務めている 写真:Tom Reel/San Antonio Express-News/ZUMA Wire

 Wolter氏は「限界値を特定できるほど十分なデータがない。もっと速度を上げた状態でテストを行いたいと考えている。また、木々の中ではどのように動作するのかも見極めたい」と述べた。

 雨や木の葉はミリ波の電波を遮るので、セルラーネットワークを計画する際には、これまでとは異なるレベルで詳細な検討が必要になる。幸いにも、Wolter氏のグループは、ユーザーと基地局の間に木があった場合でも、反射を利用する方法を発見したという。だが、AT&Tのラボチームが解決しなければならない課題はまだ他にもある。「木の葉やビルの角などによって電波が遮られ、突然受信できなくこともある。ネットワーク計画は、レイトレーシングなどの方法を用いて検討を繰り返す必要があるだろう」(同氏)

 AT&Tはこれまでのところ、主要なスマートフォンが対応するとみられているサブ6GHz帯でしかシミュレーションを行っていない。どの周波数帯を利用できるようになるのかが、まだ明確に規定されていないからだ。

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