ポスト京は高密度がカギ、富士通が試作チップを公開:1チップに48計算コアを集積(1/2 ページ)
富士通は、同社のプライベートイベント「富士通フォーラム2018 東京」(2018年5月17〜18日、東京国際フォーラム)で、ポスト「京」スーパーコンピュータ(スパコン)に搭載される予定の「CPUパッケージ」とCPUパッケージを搭載した「CPUメモリユニット」の試作機を公開した。
富士通は、同社のプライベートイベント「富士通フォーラム2018 東京」(2018年5月17〜18日、東京国際フォーラム)で、ポスト「京」スーパーコンピュータ(スパコン)に搭載される予定の「CPUパッケージ」とCPUパッケージを搭載した「CPUメモリユニット」の試作機を公開した。
ポスト京は、2021年〜2022年の運用開始を目標に開発が進むスパコン。2012年より理化学研究所で現在運用されているスパコン「京」の後継機とされており、世界最高水準の汎用性と、京の最大100倍となるアプリケーション実行性能を達成しつつも、消費電力を京の約3倍となる30〜40MW程度に収めることを目標としている。
CPUのアーキテクチャはArmv8-A+SVE、1パッケージに48コアを集積
ポスト京では、ベースとなる命令セットアーキテクチャにFP16(16ビット浮動小数点)対応のArmv8-A、SIMD拡張命令セットにArmと富士通が共同開発したSVE(Scalable Vector Extensions)を採用する。SVEは128〜2048ビットのベクトル長をサポートしており、CPUがサポートする長さで動的にベクトル長を決定することが特長となる。ポスト京のCPUでは、SIMD幅が512ビットのベクトルレジスタを搭載する。京では、ベース命令セットにSPARC-V9、SIMD拡張命令セットにSIMD幅128ビット長のHPC-ACEが採用されていた。
また、指数関数補助命令とパックド単精度演算に対応し、京のCPUと比較してセクターキャッシュやハードウェアプリフェッチのアシストを強化した。京のインターコネクトとして開発された6次元メッシュトーラス構成の「Tofu」も改良が加えられ、ポスト京のインターコネクトとして引き続き採用される。
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