「空飛ぶ車」も現れる時代、モレックスの攻め方を聞く:エレメーカーが展望する車の未来(2/3 ページ)
Molexは、各種接続システムを提供する総合電子部品メーカーだ。同社日本法人である日本モレックスで社長を務める梶純一氏に、将来の自動車の姿と同社の車載事業戦略を聞いた。
ソリューションビジネスの強みを生かす
EETJ そのようなクルマが登場する未来で、モレックスはどのような車載ビジネスを展開するのでしょうか。
梶氏 モレックスは、コネクターなど接続部品を主とした電子部品メーカーだ。よって、今後もこの部分がビジネスの軸となるのは間違いない。しかし、今までのエンジン主体の自動車から、電動車、さらにその先にある未来のクルマに至るまで、コネクターに求められる技術トレンドに追随していく必要がある。
また、モレックスは自動車業界に限らずさまざまな産業のエンドユーザーに対して製品を供給しており、多様な産業分野で培ってきたケーパビリティがある。例えば、自動車のコネクティビティに関する課題の1つに高速伝送への対応が挙げられるが、われわれは他産業向けで高速伝送対応のコネクターをラインアップしており、この領域で優れた開発経験を持っている。また、自動車ではコネクター小型化や耐久性も重要な課題であるが、この領域もモバイルや産業機器向け製品の開発経験を生かして車載向け製品の開発を進めている。
EETJ 近い将来、自動車の電動化とコネクティビティがより一層進むことは間違いないとみられますが、この状況はモレックスにとってもビジネスチャンスであるように思えます。
梶氏 どちらも電気を扱う技術であるので、これら技術が普及していけばモレックスのビジネスが広がっていくことは確かだ。従来の自動車では電装品を用いていなかった機能が、自動車の電動化によって電装品へと置き換わることで、電子部品に対する新しいニーズが生まれることも考えられる。
また、われわれはコネクターだけを提供するのではなく、ケーブルアセンブリやセンサーなども製品ポートフォリオとして持っている。これらを組み合わせ、プラスαの価値を提供するソリューションとして、顧客に提案活動を行っていることも強みだ。
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