ADAS特化型のPMIC製品シリーズを発表、Maxim:ニーズを熟知して開発(1/2 ページ)
Maxim Integrated Products(以下、Maxim/日本法人:マキシム・ジャパン)は2018年7月、自動車の先進運転支援システム(ADAS)向けのパワーマネジメントIC(以下、PMIC)製品群(5製品)を発表した。
Maxim Integrated Products(以下、Maxim/日本法人:マキシム・ジャパン)は2018年7月、自動車の先進運転支援システム(ADAS)向けのパワーマネジメントIC(以下、PMIC)製品群(5製品)を発表した。車載カメラシステムや車載レーダーシステムなどで求められる特有のニーズを満たす、アプリケーション特化型PMICになっている。
Maximのオートモーティブビジネスユニットでディレクターを務めるWarren Tsai氏は「ADASの電源には、高精度出力、高効率、小型、低ノイズ、高信頼といった共通ニーズがある一方で、カメラシステム、レーダーシステムなどシステムに応じた個別の要件もある。今回、発表した新製品群は、共通要件とともに、アプリケーション固有の要件にも応えることのできるユニークなPMICになっている」と新製品群の位置付けを説明する。
新製品は、同期整流降圧コンバーター「MAX20075」と「同76」、デュアル同期整流降圧コンバーター「MAX20019」、クワッドカメラ電源プロテクター「MAX20087」、トリプル出力コンバーター「MAX20014」の計5種だ。
MAX20075と同76は、カメラECUをはじめとした常時動作するECUに向けた降圧コンバーターで、最大の特長は自己消費電流が小さく、ピーク変換効率が90%を上回る点だ(5V出力時)。入力電圧範囲は3.5〜36Vと広く、コールドクランクによる電圧降下にも対応しやすい使用となっている。また、ロードダンプ耐性は40Vとなっている。
出力電流はMAX20075が0.6A、同76が1.2A。いずれも、3mm角サイズの12ピンTDFNパッケージを採用し、ピン互換がある。「高精度出力、高効率、小型、低ノイズ、高信頼という5つの基本要件を満たしている製品。競合製品の多くは、民生機器向けのコンバーター製品を転用しているケースが多く、5つの要件を全て満たしているケースは少ない」(Tsai氏)という。
デュアル同期整流降圧コンバーターのMAX20019は、同軸ケーブル経由で電源を得るSerDesインタフェースのカメラモジュール向けのPMICだ。「カメラモジュールは、クルマ1台当たり、4個から12個程度搭載される。そのため、最も要求されるのが、サイズだ」という。MAX20019は、2チャンネル備えながら、3×2mmサイズの10ピンTDFNパッケージで実現。「競合製品は、シングルチャンネルで3mm角、ないし、2mm角サイズであり、モジュールの小型化に貢献する」という。
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