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ADAS特化型のPMIC製品シリーズを発表、Maxim:ニーズを熟知して開発(2/2 ページ)
Maxim Integrated Products(以下、Maxim/日本法人:マキシム・ジャパン)は2018年7月、自動車の先進運転支援システム(ADAS)向けのパワーマネジメントIC(以下、PMIC)製品群(5製品)を発表した。
カメラフュージョンECU向け、レーダー向け
MAX20087は、同軸ケーブル経由で4台のカメラモジュールが接続されるカメラフュージョン(=融合)ECUに向けたクワッドカメラ電源プロテクターだ。4台のカメラモジュールのうち、1台がショートなどの故障を起こした場合に、他のカメラに影響が及ばないようにする保護回路を備える。「こうした保護回路は、これまでディスクリート部品で構成していた」とする。4つの600mA同軸チャンネルの監視機能、過電圧/低電圧/フォルト状態の通知機能を備える。機能安全規格「ISO 26262」における安全要求レベル「ASIL-B」対応版、「ASIL-D」対応版もランアップする予定だ。
トリプル出力コンバーターのMAX20014は、レーダーシステムに向けた製品で、1つの同期整流昇圧コンバーター、2つの同期整流降圧コンバーターを備える。競合製品では必要な2つの外付けディスクリート部品を省略でき、小型化、低コスト化が図れるという特長を持つ。スイッチング周波数は2.2MHzでスペクトラム拡散機能を備え、EMIを抑制できる点も特長になっている。
Tsai氏は「いずれの製品も、アプリケーションごとに異なる要件を熟知しているからこそ、製品化できた。今後も、ADASアプリケーションの理解を深め、ニーズに応じた製品を投入していく」としている。
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