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「シュタインズ・ゲート」に「BEATLESS」、アニメのAIの実現性を本気で検証するOver the AI(24)番外編 これがエンジニアの真骨頂だ(3/9 ページ)

前回で最終回を迎えた「Over the AI」ですが、番外編として、私がどうしても、どうしても、書きたかったコラムをお届けすることにしました。SFやアニメに登場するAI(人工知能)の実現性です。今回は、「シュタインズ・ゲート」や「BEATLESS」に登場するAIを取り上げ、エンジニアとして、それらの実現性を本気で検証してみました。

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「シュタインズ・ゲート」と「BEATLESS」のAIを大いに語る

 では次に、ここ2〜3年(一部、もっと古い作品もありますが)、AIが登場するアニメについて俯瞰してみたいと思います。以下の図は、アニメの名前と、そのアニメが設定している時代を並べたものです。

 横軸は未来の時間を示し、縦軸は登場するAIを有体物と無体物で区別しています。正確には

  • 人間に模した映像、
  • 人間に模していない映像、
  • 人間に模していないロボット/アンドロイド、
  • 人間に模したロボット/アンドロイド

の4区分です。

 これを俯瞰してみると明らかなのですが、現在、または現在に近い未来のAIのインタフェースは、スマートフォン(スマホ)や端末の映像ですが、未来に行くほど、人間に近い、あるいは人間と見分けのつかないアンドロイドが登場してきます。

 これは、技術的に難しいものを前提としなければならないお話は、「遠い未来に設定しておかないと都合が悪いから」だと考えられます*)

*)2年後の2020年の東京オリンピックまでに、完全自律型のアンドロイドが、ボランティアとして参加するなどという設定をしたら、「アホか」と言われるでしょう。

 逆に、アニメに登場するAIの未来の上限は、大体100年後です。この「今から、100年後」というのは、過去の映画での設定でも多いのです*)

*)前述した「メトロポリス」も、時代設定は2026年となっています。この映画でも、後程紹介するアニメと同じように、人間と見分けがつかないアンドロイドが登場していますが、2026年(あと8年後)に、このようなアンドロイドが登場する可能性は絶無でしょう。

 つまり「100年後以上であれば、200年後であろうが500年後であろうがどーでも良い」ということです。100年後は、自分には無関係の未来の話だからです。

「シュタインズ・ゲート」と「BEATLESS」のAIの実現性

 今回、私は、前述の図の左下で登場する「シュタインズ・ゲート」および「シュタインズ・ゲート ゼロ」と、右上で登場する「BEATLESS」の2つについて、現在の技術を前提とした、実現性について検討をすることにしました。

 この2つを選んだ理由は、以下のように「対比しやすい内容になっているから」という理由もあるのですが、基本的には「私の趣味」です。

 特に、シュタインズ・ゲート ゼロの人間の脳の完全コピー技術と、BEATLESSのアナログハック技術は、遠い未来の技術の話ではなくて、現在のコンピュータの技術(ハード、ソフトの両方)でも、対比可能なレベルの話です。

 ちなみに、今回の話は、下記を赤字で示したAI技術と関連のある話にもなっています。

 しかし、このコラムを読んでいる人の全てが、この2つのアニメを知っているとは思えません(むしろ少数だと思います)。

 そこで今回は、最初にこのアニメの説明を、できるだけ熱くならず、淡々と説明し*)、その後、そのアニメで登場するAI技術に特化して、その実現可能性の検討をしてみたいと思います。

*)アニメファン(私を含む)の説明は、長くて、クドくて、ウザいものになりやすいからです。

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