デザイン・イン フォーラム、Advantechが開催:AI×IoT時代が到来(2/3 ページ)
Advantech(アドバンテック)は、「アドバンテック デザイン・イン フォーラム 2018東京」を開催。最新のIoT(モノのインターネット)戦略や組み込みIoTデザイン・インの最新事例、用途別ソリューションレディパッケージなどを紹介した。
AI×IoTビジネスを加速する4つのイノベーション
さらに小池氏は、AI×IoTビジネスの成長を加速する4つのイノベーションを紹介した。「ワイヤレスコネクティビティ&センサープラットフォーム」「AIアクセラレーションモジュール&ソリューション」「IoT PaaS&ソフトウェアサービス」そして、「エッジコンピューティングソリューション」である。
特に、ホットな話題として小池氏が紹介したのが「AI推論ソリューション」への取り組みである。2つの方向でアプローチしていることを明らかにした。1つはAI向けGPUやFPGAカードを活用する「高性能のAI推論システム」。もう1つは画像認識向け「AIエッジ推論システム」である。
2つのSRPs、「SRP-E2i110」と「SRP-E2i120」
続いて、アドバンテックのエンベデッドIoTグループでプロダクトセールスマーケティングを担当する矢島健一郎氏が、「最新エッジコンピューティング技術で実現するIoTソリューションレディパッケージ」をテーマに、代表的な2つのSRPsについてその概要を説明した。
機器や設備のインテリジェント化に向けたソリューション「Equipment to Intelligence(E2I)」をベースにしたSPRsは現在、9種類を開発している。この中から、設備のインテリジェント化と資産管理を可能とする「SRP-E2i110」および、設備振動監視ソリューション(EVM)「SRP-E2i120」を紹介した。前述の通り、蘇州のCo-Creation Summit開催までには30種類のSRPsを用意する計画だ。
例えば、SRP-E2i110は生産現場に設置された各種センサーと無線/有線通信モジュールを接続し、現場のデータを収集する。次に、プロトコル変換してエッジコンピュータ側にデータを取り込み、情報の処理や解析を行う。その結果を機器側にフィードバックして制御する。さらに資産管理用のUIを用いて、ログインに必要なアカウントの作成や機器の管理、状態監視のための見える化を行う。こうした一連の機能をパッケージにして提供する。
「特別なソフトウェアの開発などは不要なため、少ない労力でシステムを構築できる」(矢島氏)のが特長だ。SRP-E2i110の応用事例として、中国の風力発電システムを紹介した。日本の地域性やシステム規模などに応じたカスタマイズも行うという。
SRP-E2i120は、生産設備の振動をモニタリングし、そのデータを解析することによって保守時のダウンタイムを極めて少なくすることができるシステムである。市販のセンサーを使うことができるパッケージ「SRP-E2i121」も別に用意した。導入の事例として、台湾の半導体メーカーを挙げた。装置の問題点を早期に把握することで、保守に必要なライン停止時間の大幅な削減や、それに伴うライン稼働率の向上などを可能にする。
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