「iPhone XS」を分解、Qualcommのモデムは見当たらず:バッテリーはL字型の1セルに(1/2 ページ)
Appleが2018年9月に発表した最新機種「iPhone XS」「iPhone XS Max」。これらの“中身”について考察してみよう。
Appleが2018年9月に発表した最新機種「iPhone XS」「iPhone XS Max」。これらの“中身”について考察してみよう。iPhoneを分解したオランダのFixjeiPhoneによれば、iPhone XSの部品構成は、前世代品の「iPhone X」に似ているという。
これとは別に、iFixitは新型iPhoneを分解した結果を掲載。TechInsightsは最終的にBOM(Bill of Material)コストを含め、チップ内部を探る、より詳細な分解を開始した。これら3社による分解の写真は、以降のページで示す。
FixjeiPhoneによる分解の最大のポイントは、iPhone XSのバッテリーが、iPhone Xで使用した2つのバッテリーとほぼ同じ、L字型スペースに収まる1セルバッテリーであることだろう。ただし、新型iPhoneのバッテリー容量は、従来の2716mAhに比べ、2658mAhとわずかに小さい。
iFixitの分解では、熱膨張のためのスペースを確保するために、ノッチ(切り欠き)を設けていることが見て取れる。Appleによれば、新型iPhoneでは、30〜90分、バッテリー寿命が延長すると主張している。これは、7nmプロセスを用いたSoC(System on Chip)「A12 Bionic」のような、電力効率の高い部品を搭載しているからだ。
iPhone XSのロジックボードについて、興味深いポイントの一つは、多くの機能を実現するために12個以上のコネクトを搭載したバックプレーンの使用である。決して“斬新”とはいえないが、今日のスマートフォンにおける機械設計の小型化を証明するものといえるだろう。
FixjeiPhoneは、ボードに搭載されている部品について、サプライヤーは特定していないが、iFixitなどが特定している。今回のiPhoneでは、大規模かつ長期にわたる特許係争を繰り広げている相手、Qualcommのモデムチップを採用しているのかどうかが注目されていたが、iFixitの分解の結果、Intelの「PMB9955」が採用されていることが明らかになっている。
iPhone XSのフロントカメラモジュールの画像からは、フレキシブルなケーブルが採用されていることが分かる。こうしたフレキシブルなケーブルは、多くの部品をパズルの組み合わせて搭載する、現在のスマートフォンにおいて重要な役目を果たしているのだろう。
こちらは、FixjeiPhoneが掲載した、分解終了後の写真だ。いくつの主要部品からシステムが構成されているかが分かる。さらに、現在においても、手作業で組み立てることが必要だということもうかがえる。
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