大幅に消費電力を低減したFRAMを発表:ET&IoT Technology 2018
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2018年11月14日に開幕した展示会「ET&IoT Technology 2018」(会場:パシフィコ横浜/会期:2018年11月16日まで)で、超低消費電力を特長にしたFRAM(強誘電体メモリ)の新製品「Excelon LP F-RAM」を発表した。
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2018年11月14日に開幕した展示会「ET&IoT Technology 2018」(会場:パシフィコ横浜/会期:2018年11月16日まで)で、超低消費電力を特長にしたFRAM(強誘電体メモリ)の新製品「Excelon LP F-RAM」を発表した。電池駆動機器などでの連続データ取得用途向けのFRAMで、複数の低消費電力動作モードを用意し、消費電流を最小で0.1μAにまで抑える。
「Excelon F-RAMファミリ」の特長。同ファミリには、今回発表した「Excelon LP F-RAM」の他、産業機器向けに高速インタフェースを備える「Excelon Ultra」、AEC-Q100対応の車載向け「Excelon Auto」がある (クリックで拡大) 出典:Cypress Semiconductor
Cypressはメモリ事業において、産業機器、車載機器、医療機器におけるデータロギング用途でのメモリ需要がすると予測。産業機器、車載機器、医療機器を重点市場と位置付ける中で、Excelon LP F-RAMを開発した。「産業機器分野ではインダストリー4.0、車載分野では自動運転、医療分野では常時健康モニタリングなどのトレンドがあり、長時間に及ぶデータ取得ニーズが高く、メモリの消費電力低減ニーズが高い。Excelon LP F-RAMは、産業、車載、医療のデータロギング用途に向けて開発した」(RAM事業部シニアプロダクトマネージャー Pramodh Prakash氏)
Excelon LP F-RAMの最大の特長は、従来、1種類だった低消費電力モードを3種類に拡大。従来のスタンバイモードの他、ディープパワーダウンモード、ハイバネートモードを追加。最も消費電流を抑えるハイバネートモードを使用した場合、消費電流は0.1μAまで、ディープパワーダウンモードでは1.0μAまで、抑えることが可能。また、アクティブ書き込み電流も0.6mAに抑えた。こうした低消費電力化により、CR2032電池を使用し、20ミリ秒間隔で16バイトのデータをサンプリングした際の電池寿命は9500日(約25年)になるという。「同条件で、競合のFRAMは2604日、MRAMは213日という電池寿命になる」(Cypress)として、Excelon LP F-RAMの低消費電力性能をアピールしている。
Excelon LP F-RAMの書き込み/読み出しサイクル耐久性は、「1015回(=1000兆回)で、ほぼ無制限」(Prakash氏)だという。
Excelon LP F-RAMは、まず、容量4Mビット品、8Mビット品のサンプル出荷を開始。2019年7〜9月には、2Mビット品と16Mビット品のサンプル出荷を開始する予定。量産は4Mビット品と8ビット品が2019年1〜3月から、2Mビット品と16Mビット品が2018年10〜12月からを予定している。
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