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2019年も2割増収を狙う汎用半導体専業Nexperiaの戦略Frans Scheper CEOインタビュー(2/3 ページ)

ディスクリート(個別半導体)、汎用ロジックなど、いわゆる汎用半導体製品を専門とするNexperia(ネクスペリア)は2019年、売上規模を20%成長させる方針だ。業績好調の理由や今後の成長に向けた経営戦略、さらには日本での事業展開について、Nexperia CEOを務めるFrans Scheper氏と、Nexperia日本支社長を務める国吉和哉氏にインタビューした。

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「極めて重要な市場」と位置付ける日本での事業

EETJ 日本では、競合メーカーが多いこともあり、Nexperiaとしてのシェアは他地域に比べて伸び悩んできました。

Scheper氏 まだまだ、シェアを高める余地が多くあることは確かだ。しかしながら、ここ最近は、最も高い売上成長率を達成しているのが日本市場だ。5〜10年ほど前から、日本の顧客は、日系以外にも調達の門戸を開きはじめ、マインドが“オープン”になった。十分な生産能力、豊富な製品ラインアップ、高い品質、グローバルネットワークといったNexperiaの強みが日本国内でも着実に評価されてきている。

EETJ 日本でのビジネス状況をもう少し詳しく教えてください。

国吉和哉氏 グローバル同様、自動車市場で順調な成長を実現できている。近年のデザインイン活動が実を結んだ結果だ。またサーボモーターやサーバ用冷却ファンなど産業機器関連、エアコン向けなども好調だった。


Nexperiaの日本での事業概況 (クリックで拡大) 出典:Nexperia

EETJ Nexperiaにとって、日本市場はどのような位置付けなのですか?

Scheper氏 極めて重要な市場として位置付けている。注力している自動車分野をはじめとして、重要な顧客が多く存在するという点で重要なだけでなく、高い品質の材料を供給してくれるサプライヤーも多く存在している。そういったことも含め、極めて重要な市場である。

 日和見主義ではなく、3年先、5年先を見据えて、継続的に投資していく。

増産投資はさらに加速

EETJ 今後も、積極的な生産増強を続けていく予定でしょうか。

Scheper氏 増産投資は継続していく。2019年も、2017〜2018年の20%近い売り上げ成長を持続しつつ、売上の12〜15%を設備投資に充ていく計画だ。

EETJ 生産能力については、全社でどの程度拡大するのでしょうか。外部工場への製造委託を増やすなどの方針はありますか?

Scheper氏 前工程で2拠点、後工程で3拠点ある自社工場で幅広い製品ポートフォリオに対応しているため、一概に、生産能力を数値で示すことは難しい。ただ、われわれの年間生産個数は2016年700億個程度だったが、2018年には900億個を超える。2019年には1000億個を超えるだろう。こうした増産が行える生産能力がわれわれには備わっている。

 また、当社は、前工程、後工程ともに自社生産にこだわっている点も強みだと考えている。現状の自社生産比率は85〜90%程度となっている。この割合は、健全な値だと考えており、今後も、この割合を維持していきたい。

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