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IoT/AI関連半導体市場、2025年に約51兆円富士キメラ総研が調査

富士キメラ総研は、IoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)をキーワードとする次世代産業に向けた20品目の半導体デバイスについて市場調査を行い、2025年までの予測結果を発表した。

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注目はNANDフラッシュメモリ、TOFセンサー、車載SoC/FPGA

 富士キメラ総研は2018年12月、IoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)をキーワードとする次世代産業に向けた20品目の半導体デバイスについて市場調査を行い、2025年までの予測結果を発表した。

 今回の調査は、プロセッサやメモリ、センサーなど20品目に及ぶ半導体デバイスの他、パッケージ3品目、ウエハー/基材6品目、前工程材料/関連製品4品目、後工程材料/関連製品5品目および、アプリケーション4品目を対象とした。

 これによると、半導体デバイス20品目の世界市場は、2018年見込みの27兆678億円に対して、2025年は51兆3192億円規模と予測した。2025年における市場の内訳は、NANDフラッシュメモリやDRAMの需要が続伸し、メモリ市場は全体で38兆191億円になると予測した。ロジック関連市場も、車載SoCやFPGA、イーサネットスイッチICといった製品が需要をけん引し、9兆4638億円を見込む。


半導体デバイス20品目の世界市場予測 出典:富士キメラ総研

 20品目の半導体デバイスの中で、同社が特に注目製品として挙げたのが、「NANDフラッシュメモリ」「TOF(Time of Flight)センサー」「車載SoC/FPGA」の3品目である。

 NANDフラッシュメモリ市場は、2018年見込みの7兆2835億円に対し、2025年は19兆5147億円と予測した。その要因として同社は、サーバやPC向けSSD用の需要拡大、スマートフォンにおける搭載メモリの容量増加などを挙げた。

 TOFセンサー市場は、2018年見込みの199億円に対して、2025年は1028億円と予測した。TOFセンサーには2方式ある。スマートフォンのオートフォーカスや近接センサーなどで用いられる「Direct TOF」と、3D顔認証やAR(拡張現実)といった用途で利用が期待される「Phase TOF」である。

 Phase TOFは今後、自動車用途で需要拡大が期待できるとみている。既に、センターコンソールでHMI(Human Machine Interface)として採用されている。これに加えヘッドライトや運転手モニタリング向けなどの用途で採用が検討されている。ドローンやHMD(Head Mounted Display)でも搭載が増える見通しだ。

 車載SoC/FPGA市場は、2018年見込み2819億円に対して、2025年は5416億円と予測した。自動運転のレベル向上が半導体デバイス需要を押し上げる。2017年時点で自動運転レベル2対応車両は約2000万台、レベル3相当に対応する車両は1万台が出荷されている。

 例えば、自動運転レベル2対応の車両だと、ビジョン用やフュージョン用、IVI(In-Vehicle Infotainment system)用として3個程度のSoC/FPGAが搭載されているという。これがレベル3以上になると、判断用や運転手モニタリング用などが追加され、合計5〜7個のSoC/FPGAが実装されることになる。

 富士キメラ総研は、2018年7〜10月に専門調査員によるヒアリングなどを行い、市場の調査/分析を行った。これらの結果を、「2018 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」としてまとめた。

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