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モレックス、極細電線のはんだ付けを自動化:FPCインターポーザを利用
日本モレックスは、最小50AWG規格の極めて細い電線を、自動ではんだ付けする技術「マイクロターミネーション」を発表した。
熟練技術者に頼らず、接続作業の時間とコストを削減
日本モレックスは2019年2月、最小50AWG規格(直径約0.025mm、ピッチ0.01mm)の極めて細い電線を自動ではんだ付けする技術「マイクロターミネーション」を発表した。スマートフォンやウェアラブル機器などにおける基板や電線の接続用途に向ける。
モバイル機器などでは小型電子部品が実装され、小型コネクターとケーブルの電気的接続作業も難易度が高まってきた。これまで、42〜50AWGの細い電線を用いる端子のはんだ付けは、熟練技術者の手作業に頼ることが多かった。はんだ接続後は端子の取り外しもできなかったという。
新たに開発したマイクロターミネーション技術は、極めて細い電線が複数本並んだマイクロリボンケーブルを、回路基板にはんだ付けする工程を自動化する技術である。電線被覆材の除去を含め、はんだ付け工程のほとんどを自動化することで、安定した品質と量産性を実現する。狭ピッチのFPCインターポーザを採用したことで、端子の取り外しもできる。はんだ付け作業の時間やコストも削減することが可能になるとする。
マイクロターミネーション技術は、同社のマイクロリボンケーブル「Temp-Flex」だけでなく、他の電線でも利用することができる。また、ASICへの直接接続など、小型FPCコネクターとの接続以外にも適用することが可能な技術だという。
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