データセンター向け技術をオープンに、進む取り組み:Microsoftなどが主導(1/3 ページ)
Microsoftとパートナー企業が、新しいデータ圧縮方法向けとしてオープンソースRTL(レジスタ転送言語)を発表した。Intelは、「セキュリティブロック向けにも同様に、もう1つ別の取り組みを進めている」と述べている。今回の発表は、Open Compute Project(OCP)において、データセンターの“巨人”が、オープンソースシリコンへと進んでいく上での第一歩となる。
RTLをオープンソース化
Microsoftとパートナー企業が、新しいデータ圧縮方法向けとしてオープンソースRTL(レジスタ転送言語)を発表した。Intelは、「セキュリティブロック向けにも同様に、もう1つ別の取り組みを進めている」と述べている。今回の発表は、Open Compute Project(OCP)において、データセンターの“巨人”が、オープンソースシリコンへと進んでいく上での第一歩となる。
今回のプロジェクトは、世界最大級のデータセンターを推進するための取り組みの幅広さを示す指標となっている。プロジェクトは、「ムーアの法則」が減速し、ディープラーニングなどの作業負荷が増大し始めたことで、エンジニアたちが性能向上を追求すべく全力を尽くさなければならなくなったというタイミングで登場したことになる。
例えば、ベンダー各社は、液浸冷却など、高速チップを冷却するための代替手法をいくつか発表している。ある経営幹部は、「現在、数多くの高性能プロセッサやアクセラレーターの開発が進められていることから、OCP委員会は2020年までに、こうした分野向けの標準規格案を提出できるのではないかと期待している」と述べている。
今回のOCPの年次イベントには、3500人を超えるエンジニアたちが参加登録している。178社に上る参画メンバー企業は、データセンター向け機器に、1年間当たり25億6000万米ドルを投じているという。この金額は2022年までに、約110億米ドルにまで増加する見込みだ。
OCPは、Facebookによる2011年の設立以来、サーバやスイッチ、各種システム、ボードなどに向けた、数十種類のオープンソース設計を発表してきた。関係者たちは、「これらの新しいプロジェクトにより、オープンシリコンに関する取り組みが始動すると期待している」と述べる。
Microsoftのサーバエンジニアリング部門担当ゼネラルマネジャーを務めるKushagra Vaid氏は、「クラウドプロバイダーたちの間では、当社がオープンなRTLの新たな先例を作り、いずれは他社が追随するようになるとみられている。新しい圧縮標準規格の実現に向け、大量のシリコンが必要になることから、業界全体に種をまいておく必要がある」と述べている。
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