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データセンター向け技術をオープンに、進む取り組みMicrosoftなどが主導(2/3 ページ)

Microsoftとパートナー企業が、新しいデータ圧縮方法向けとしてオープンソースRTL(レジスタ転送言語)を発表した。Intelは、「セキュリティブロック向けにも同様に、もう1つ別の取り組みを進めている」と述べている。今回の発表は、Open Compute Project(OCP)において、データセンターの“巨人”が、オープンソースシリコンへと進んでいく上での第一歩となる。

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データ圧縮アルゴリズムやRoot of Trustのプロジェクトも

 最近発表されたある研究によると、1年間のデータ量は2025年までに、175ZB(ゼタバイト)に達する見込みだという。これを受けて始動したのが、データ圧縮アルゴリズム「Project Zipline」だ。データセンター向けに最適化し、パターンマッチングIP(Intellectual Property)ブロックに実装された、ハフマンエンコーディングの変化を定義する。Microsoftからのテストファイルを大幅に圧縮しながら、10ギガバイト/秒単位のスループットで、マイクロ秒レベルのレイテンシに対応することが可能だ。

 Vaid氏は、「新しい圧縮技術の開発には、かなりの時間を要する」との認識を示している。現在のところ、Project Ziplineを支持する企業には、AMDやArm、Broadcom、Cadence、Intel、Marvell Technology Group、Mellanox、Synopsysなどが名を連ねている。

 またOCPは、この他にも別のプロジェクト「Project Cerberus」において、プロセッサの信頼の基点(Root of Trust)をサーバの全てのデバイスへと拡大しようとしている。そのためには、FacebookやIntel、Microsoftなどのグループによって定義される、新しいプロトコルとIPブロックが必要になる。

 この手法では、既存のCerberusマザーボードで使われているコントローラーをマスターとし、周辺チップのスレーブブロックとやりとりする。Intelの広報担当者は、「OCPは、この周辺ブロックをオープンソース化する可能性がある」と述べている。

 Microsoftのエンジニアは、手掛けているプロジェクトについて、「サーバのマザーボードをモジュールに分割することにより、コストの低減と設計期間の短縮の実現を目指す」と説明している。プロジェクトリーダーを務めるSiamak Tavallaei氏は既に、コンセプトに関する高水準記述を発表しており、2019年夏までにプロトタイプを開発することに関心を持っている、十数社の企業から支持を得ているという。

 これらの取り組みにより、プロセッサとメモリを1つのモジュールに統合することが可能になるという。さまざまな種類のCPUブロックでセキュアなコントローラーモジュールを使用することにより、ファームウェアの動作や、温度の監視、ファンの制御など、さまざまな基本的作業を実行することができる。

 また、現在PCIe Gen 4をベースとしているI/Oケーブルを使用することで、ボードスペースを縮小し、プロセッサとI/Oをできるだけ近づけることが可能になる。これにより、PCB材料を最大60%削減し、ポートやPCIeスロットの他、GPUなどのアクセラレータ向けとして、シャシーのスペースを確保できるようになるという。


Siamak Tavallaei氏

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