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ADI、振動計測や侵入検知を具体的事例で紹介第8回 IoT/M2M展 春(1/2 ページ)

アナログ・デバイセズ(ADI)は、「第8回 IoT/M2M展 春」で、MEMS加速度センサーを応用した「振動計測レファレンスソリューション」など、ユーザー事例を含む最新ソリューションのデモ展示を行った。

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振動センサーで故障予知

 アナログ・デバイセズ(ADI)は、「第8回 IoT/M2M展 春」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、MEMS加速度センサーを応用した「振動計測レファレンスソリューション」やメッシュ型無線ネットワークによる「IoT(モノのインターネット)環境モニタリング」、24GHzレーダーを採用した「侵入検知センサーシステム」など、ユーザー事例を含む最新ソリューションのデモ展示を行った。

 高性能アナログ技術で業界をリードするADIは、最新の信号処理用ICや電源IC、通信用IC、センサーなどを提供している。今回は、「SMART FACTORY」「SENSING」「WIRELESS SENSOR NETWORK SmartMesh」「IoT ECO SYSTEM」と4つのカテゴリーに分け、より具体的に応用例を紹介した。

 「振動計測レファレンスソリューション」は、MEMS加速度センサーを内蔵したピックアップ部で、モーターのわずかな異常振動を検知して、故障予知・状態基準保全を確実に行う用途を想定した。

 このシステムは、高精度で広帯域の1軸MEMS加速度センサー「ADXL100xシリーズ」、極めて消費電力が小さくFFT処理による周波数解析やアラーム発生など行うことができるマイクロコントローラ「ADuCM4050」と信号処理ソフトウェアおよび、解析結果を可視化するためのGUIツールなどで構成されている。既存のFAシステムや無線通信モジュールと接続するためのインタフェースも用意されている。


振動計測レファレンスソリューションのデモ展示

 特に、「ADXL1002」はノイズ密度が25μg/√Hzで、周波数21kHzまでの振動計測を行うことができる。「ADXL1005」を用いると、周波数42kHzまでの振動解析が可能になるという。「ADXL100xシリーズは、ピエゾ抵抗型加速度センサーに匹敵する広い帯域や高い感度を実現しつつ、形状は約10分の1と小さい。衝撃耐性にも優れている」(説明員)と話す。

 ブースでは、ユークエストと共同開発した振動解析装置も紹介した。SDカードを実装することが可能で、収集したデータを保存しておけば、過去の状態解析も可能である。この他、産業用ワイヤレスネットワーク「SmartMesh」対応の通信モジュールを組み合わせた、開発中の「ワイヤレス振動計測レファレンスソリューション」も紹介した。

SmartMesh技術で環境モニタリング

 メッシュ型無線ネットワーク(SmartMesh)による「IoT環境モニタリング」コーナーでは、マクニカアルティマカンパニーが開発した3台のセンサー端末を用いて、最適なメッシュネットワークを自動的に構築しながら、10秒ごとに測定した温湿度などのデータを送信するデモ展示を行った。


SmartMesh IP搭載センサー端末によるデモの模様

 SmartMeshとは、2.4GHz帯を用いたセンサーネットワーク向け無線技術である。「IPv6(IEEE 802.15.4e 6LoWPAN)」または「WirelessHART」規格に準拠する。無線LANなど既存の通信ネットワークとの電波干渉が少なく、堅固な通信を行えるのが大きな特長である。

 マクニカ製のセンサー端末「ET-Terminal G2S」は、外形寸法が115×69×28mmで、無線モジュール「SmartMesh IP」や電源ICの他、加速度センサー、TVOC(総揮発性有機化合物)を測定できるガスセンサー、温湿度センサー、照度センサーなどが搭載されている。

 SmartMesh IP搭載センサー端末は、電源を入れるだけでメッシュネットワークが自動的に構成される。無線環境が一時的に悪化しても、自動で最適化される。

 マクニカは、ET-Terminal G2Sのスターターキットを2019年4月末より発売する予定である。このキットには2台のET-Terminal G2Sと、1台のUSBホストアダプターが含まれる。センサー端末は単3電池2本で動作するが、太陽光パネルと単3電池を組み合わせたハイブリッドバッテリータイプも開発している。

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