5Gスマホ、2023年には5億台超に:かなり速いスピードで成長
IHS Markit(以下、IHS)の最新予測によると、5G(第5世代移動通信)スマートフォンの出荷台数は、2019年は3700万台で、2023年には5億2500万台に増える見込みだという。
IHS Markit(以下、IHS)の最新予測によると、5G(第5世代移動通信)スマートフォンの出荷台数は、2019年は3700万台で、2023年には5億2500万台に増える見込みだという。5G携帯の増加率は初期のLTE携帯の6倍となり、これまで発表された携帯電話で最も速いペースで成長すると予測されている。
米国の通信キャリアは積極的に5Gネットワークを構築しようとしているが、それでもこの予測は驚くほど強気である。IHSは、米国で既に5Gサービスが配備されているのはおよそ10都市で、2019年末にはさらに10都市増えると予測している。
IHSのスマートフォン担当アナリストであるWayne Lam氏は「メーカーが発表している5Gスマートフォンのモデルが20以上あることから、2019年の予測を約1100万台から約3700万台に上方修正した。楽観的過ぎるかもしれないが、LTEへの移行時とは状況はかなり異なる」と述べた。
IHSのテクノロジー部門担当バイスプレジデントであるFrancis Sideco氏は「LTEを推進したのは主に米国の通信キャリアだったが、5Gは非常にグローバルな規模で展開されており、韓国、英国、スイスなど複数の国でかなりの量が出回っている」と述べた。
これまでで、Huawei、LG Electronics、Motorola、Samsung Electronics(以下、Samsung)、Xiaomiなどが5Gスマートフォンを発表あるいは出荷している。
Samsungは韓国で、5G対応スマートフォン「Galaxy S10 5G」を発表した。TechInsightsの分解レポートによると、5Gに対応するために独自のモデム「Exynos 5100」が採用されていて、サブ6GHz帯に対応するとしている。Huaweiも、同様に独自の5Gモデムを使用していて、こちらもサブ6GHz帯をサポートするとみられている。
一方、米国で出荷されるSamsungなどの5Gスマートフォンには、Qualcommの5Gモデム「Snapdragon X50」や「Snapdragon X55」が搭載される可能性が高い。Appleは、「iPhone」の2020年モデルに、Intelの5Gモデム「XMM 8160」を採用すると見込まれている。Lam氏は「Appleは、2020年後半には5Gスマートフォンを必ず中国市場に投入しようとしている」と述べる。
3GPPが2019年にリリースする予定の「Release 16」は、ダウンリンクで20Gビット/秒(Gbps)、アップリンクで10Gbpsというピークデータ速度を実現するという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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