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省電力ボードで組み込みビジョンを実現コンガテックが最新製品を展示

congatecの日本法人コンガテック ジャパンは、「第8回 IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、産業用組み込みコンピュータモジュールの最新製品などを展示した。

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 congatecの日本法人コンガテック ジャパンは、「第8回 IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、産業用組み込みコンピュータモジュールの最新製品などを展示した。

 ドイツに本社を置くcongatecは、FA(Factory Automation)や医療といった分野で高いシェアを持っている。2016年から日本法人を強化し、日本でもFAや医療の分野で積極的に進出を図る方針だ。

 ブースでは、congatecの省電力コンピュータモジュールを使い、小売店のセルフレジ向けを想定した物体認識や、美術館や商業施設などで来館者のカウントを行う用途に向けた人物検知などのデモを展示。省電力で小型のコンピュータモジュールを使ってエッジデバイスでの推論が可能なことを示した。これら2つのデモには、Baslerのカメラが使われている。

 セルフレジ向けの物体認識のデモでは、NXP Semiconductorsの組み込み向けプロセッサ「i.MX8」を搭載した、省電力のコンピュータモジュール「conga-QMX8X」と「conga-SMX8X」を使用。カメラで商品を撮影し、どの商品が何個あるのかを推論によって検知していた。

左=「conga-QMX8X」と「conga-SMX8X」を用いた物体認識のデモの外観/右=認識した結果。正しく検知されていることが分かる(クリックで拡大)
左=人物検知には、Intelの第5世代「Atom」を搭載した「conga-PA5」を用いた/右=conga-PA5の外観(クリックで拡大)

 congatec初となる3.5インチサイズのシングルボードコンピュータ「3.5" JUKE Board」も展示。「第8世代 Intel Core」プロセッサを搭載している。コンガテック ジャパンの担当者は「congatecは、Intelと密に連携してコンピュータモジュールを開発しているので、Intelの最新プロセッサが市場に投入される時と、ほぼ同じタイミングで、そのプロセッサを搭載したコンピュータモジュールを発表できる」と説明する。


「3.5" JUKE Board」。サイズは146×102mm(クリックで拡大)

 その他、複数のOSをx86アーキテクチャのマルチコアプロセッサ上で並列動作させる、「リアルタイムハイパーバイザー」のデモも展示した。リアルタイムハイパーバイザーは、congatecが2018年3月に買収したドイツReal-Time Systemsの技術である。

 デモでは、リアルタイムハイパーバイザーと「Intel Xeon E2」プロセッサを搭載し、COM(Computer on Module)の規格である「COM Express Type 6」に準拠した「conga-TS370」を用いて、事前設定された3つのバーチャルマシンを統合したシステムを展示した。協働ロボット、オートメーションコントロール、自律走行など、複数のタスクを並行して実行する必要があるアプリケーションに向けたもの。

 1つ目のバーチャルマシンでBaslerのカメラを動かすと、物体検出の機能がLinuxで起動し、Intelの「Arria 10 GX」を搭載したFPGAカード上で、推論のアルゴリズムが実行される。2つ目のマシンは、データをクラウドに転送するため安全な接続を確立する。3つ目は、Linuxを起動し、リアルタイムで倒立振子のバランスをコントロールしている。ユーザーが指で振子のバランスを乱すと、システムが即座に反応し、リアルタイムの動作によって振子のバランスを保つ。

左=デモの外観。写真左に倒立振子、中央にBaslerのカメラがある/右=リアルタイムハイパーバイザーの仕組み。4コアはubuntu、1コアはEdgeOS、もう1コアはLinuxの動作に割り振られている(クリックで拡大)

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