日本に切り込むcongatec、組み込みを集積化する技術:リアルタイム処理の仮想化に強み
congatecの日本法人であるコンガテック ジャパンは、「第7回 IoT/M2M展【春】」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)で、同社が販売する産業用組み込みコンピュータモジュールとリアルタイムOS(RTOS)仮想化に対応するハイパーバイザー「Real-Time Hypervisor」について、製品展示やデモを行った。
congatecの日本法人であるコンガテック ジャパンは、「第7回 IoT/M2M展【春】」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)で、同社が販売する産業用組み込みコンピュータモジュールとリアルタイムOS(RTOS)仮想化に対応するハイパーバイザー「Real-Time Hypervisor」について、製品展示やデモを行った。
congatecは、ドイツに本社を置く組み込みコンピュータモジュールメーカー。日本カントリーマネージャーの田中康之氏は、「congatecは組み込みコンピュータ市場で世界シェア2位を持つベンダー。高い信頼性に定評があり、FA(Factory Automation)やメディカルなどの領域で多数の採用実績がある」と語る。同社は2012年に日本法人を設立し、2016年より日本法人を強化、現在の体制となった。
リアルタイム処理に対応する仮想化技術で組み込み環境を高集積化
同社ブースでは、1台の同社製組み込みコンピュータモジュールで複数OSを稼働し、リアルタイムに多脚ロボットを動作させる「ピアノ演奏ロボット」のデモが最も注目を集めていた。
このデモでは、ロボットのモーションコントロールにはリアルタイムOS(RTOS)のVxWorks、演奏曲選択などGUI操作用にはWindows 10、といったように目的の処理別に複数OSを並列動作させつつリアルタイム処理の実行が可能なことを訴求している。田中氏は、組み込みコンピュータに集積化のニーズが高まっているとして、「組み込みコンピュータのモジュール提供だけでなく、ハイパーバイザーによる仮想化で高集積化を推し進めていく」と同社の戦略を示す。
このように、ハイパーバイザーが同社戦略の上で重要な役割を担っているが、同社が提供するハイパーバイザーのReal-Time Hypervisorは、2018年3月に同社が買収した独Real-Time Systems社の技術となる。
Real-Time Hypervisorは、x86アーキテクチャのマルチコアCPU上で動作し、それぞれのCPUコアがゲストOS実行の最小単位となる。ハイパーバイザー上のゲストOSは完全に独立しているため、多数の組み込みシステムを1チップに統合した場合でもセキュリティが確保できるという。
「IoT(モノのインターネット)では、1システムで操作用のGUIベースOS、クラウド接続用のLinux、装置制御用のRTOSを動作させるとき、複数のコンピュータが必要な場合がある。このハイパーバイザーを利用することで、複数のコンピュータを1チップに統合しコストカットや信頼性の向上を達成しつつ、セキュアでリアルタイム処理が可能な環境を構築することができる」(田中氏)として、Real-Time Hypervisorの優位性を強調した。
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