Intelが5Gモデム事業から撤退へ、収益性見いだせず:5G対応iPhoneはどうなるのか
Intelは2019年4月16日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)対応モデム事業から撤退すると発表した。
Intelは2019年4月16日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)対応モデム事業から撤退すると発表した。
Intelはプレスリリースで、「4Gモデム製品ラインの現行顧客へのコミットメントは継続するが、2020年に発売を予定したものも含め、5Gモデムをスマートフォン分野で発売する予定はない」とコメントしている。
IntelのCEOを務めるBob Swan氏は、リリースで「5Gとネットワークのクラウド化というビジネス機会には、大変興奮しているが、同事業における収益性について明確な道筋を見いだせなかった」と述べている。「5Gが、Intelの戦略において優先的な分野であることは変わりなく、われわれのチームは、ワイヤレス関連製品およびIP(Intellectual Property)について貴重なポートフォリオを開発済みだ。当社は、5G分野におけるさまざまなデータ中心のプラットフォームやデバイスを含め、これまで生み出してきた技術を生かすための選択肢を検討している」(同氏)
Intelは、2019年第1四半期の業績を同年4月25日(現地時間)に発表する予定であり、そのカンファレンスコールの場で、5Gモデム撤退の詳細について触れると考えられる。
Intelは、Qualcommと並び5Gモデムの開発を先行しており、Appleが今後投入する予定の5Gスマートフォンには、Intelの5Gモデムが搭載されるとみられていた。2018年11月には、統合型5Gモデム「XMM 8160」の開発計画を発表していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Intelの5Gチップ開発をAppleが後押し
Intelが、統合型5G(第5世代移動通信)モデム「XMM 8160」の開発計画を発表した。市場が最高の状態に達するとみられる2020年の実現を目指すという。これを受けてQualcommは、統合型チップセット開発の取り組みを加速させることにより、2019年を通して、5Gのみに対応したモデム向けの数少ない顧客の大半を確保していくのではないかとみられている。 - 5Gで水晶の置き換え狙う、±5ppbの「MEMS OCXO」
SiTimeは2018年11月5日、主に5G(第5世代移動通信)ネットワークで使用されるタイミングデバイス向けに、恒温槽型(オーブン制御)のMEMS発振器を主製品とするプラットフォーム「Emerald」を発表した。±5ppb〜±50ppbという高い周波数安定性を実現している。 - QualcommがAppleをまた提訴「機密をIntelに提供」
Qualcommは、長年にわたる顧客企業であるAppleが、Qualcommの半導体チップに関する機密情報を、ライバルであるIntelに提供したとして告訴した。これにより、注目を集めてきた両社間の確執が、一段と激化している。 - AppleとQualcommの係争は人材確保にも及ぶ?
AppleとQualcommの間で繰り広げられている法廷闘争は、ついに人的リソースにまで被害が及びつつあるようだ。Appleは現在、Qualcommの本拠地である米国カリフォルニア州サンディエゴでセルラーベースバンドのエンジニアの求人を募集している。