ローデ、自動車向けテストソリューションを提案:Cellular-V2Xモジュール向けも(2/2 ページ)
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、「車載レーダー」や「コネクティビティ」などに関連する自動車業界向けテストソリューションについて、記者説明会を開催した。
GCFテストプラットフォームの認定を取得
続いて、同社マーケティングセグメント部Wireless Comm&RFCの統括部長を務める江森浩司氏が、V2X(Vehicle-to-Everything)に関する「コネクティビティソリューションの概要」について紹介した。
V2Xはいくつかの接続形態に分かれる。例えば、LTEや5Gの無線技術を用いるが、オペレーターの基地局を介して通信するシステム(Uuインタフェース)と、直接接続して通信するシステム(PC5インタフェース)などである。直接接続されるシステムとしては「車両同士」あるいは「車両と交通標識/信号機」「車両と歩行者/自転車」などを挙げた。
これらを実現するための要件として江森氏は、「1Gビット/秒以上の高いデータレート」「10ミリ秒未満の低遅延」「自律走行のための、より高精度なポジショニング」などを挙げる。
こうした中で、同社が提供するソリューションは、GCF(Global Certification Forum)より「Cellular-V2Xプロトコルコンフォーマンス・テストパッケージ」の認定を取得した。このシステムは、ワイドバンド無線機テスター「R&S CMW500」やベクトル信号発生器「R&S SMBV100A」と、追加ソフトウェアなどを組み合わせたシステムである。このパッケージを用いてGCFプロトコルコンフォーマンス・テストを行うことで、Cellular-V2Xデバイスの認定を迅速に行うことができるという。
R&S CMW500は、LTE-Aおよび、WCDMA/HSPA+と、Cellular-V2Xモジュールとの通信リンク上でLTE sidelink機能テストを実行できる。R&S SMBV100Aを組み合わせると、「GPS」や「GLONASS」「Galileo」「BeiDou」といった全地球測位システムのGNSS信号をシミュレーションすることが可能となる。なお、複雑なトラフィックシナリオの開発は、VECTOR製のシナリオ編集ツールを用いて作成することができるという。
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