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「起業活動の数と質」、日本がベンチャー設立で抱える根深き4つの課題イノベーションは日本を救うのか(32)(3/4 ページ)

実は、日本は先進国の中でも「起業活動の活発度」が低い。それはなぜなのだろうか。筆者は4つの問題があると考えている。

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起業家に対する評価が低い?

 2つ目の理由として、起業家に対する社会的評価が日本では、まだまだ低いという事実が挙げられる。欧米先進国と比べると、起業を選択すること、そして起業家の社会的地位に対する評価という点で、日本は劣っているといえる(図4)。このため日本では、上記のようなリスクを冒してまで起業する、という意欲がそがれてしまうのもうなずける。


図4 起業家に対する評価 出典:中小企業庁白書2014(クリックで拡大)

 3つ目の理由は、ベンチャーを起業する機会を認識している人、そして、起業するだけの能力が自分にあると思っている人が少ないという点だ。これも欧米諸国と比べると日本は極端に少ない(図5)。


図5 事業機会や自己能力の認識 出典:中小企業庁白書2014(クリックで拡大)

 4つ目として、これも本人の問題だが、「新しいことをやってやろう」という意欲が少ないのではないか。何とか食べていける収入があり、やりがいやプライベートの面で現状に満足しているので、わざわざ起業なんて考えない、というわけだ(図6)。


図6 起業の準備に踏み切らない理由 出典:中小企業庁白書2014(クリックで拡大)

 こうしたデータから分かるように、日本は、起業意欲を“あおる”よりも、”削ぐ”ような環境になっているのである。

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