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InfineonがCypress買収へ、約1.1兆円で:車載半導体首位に
Infineon Technologiesは2019年6月3日(ドイツ時間)、Cypress Semiconductorを買収することで、Cypressと合意したと発表した。
Infineon Technologiesは2019年6月3日(ドイツ時間)、Cypress Semiconductorを買収することで、Cypressと合意したと発表した。買収額は約90億ユーロ(約1兆1000億円)。2019年末から2020年初めまでに買収を完了させる予定。
買収は、Infineonが、Cypressの株式を1株あたり23.85米ドルの現金で買収する予定で、総額は約90億ユーロになる。
Infineon CEO(最高経営責任者)のReinhard Ploss氏は買収発表のリリースの中で「Cypressの計画的買収は、Infineonの戦略的開発における画期的な一歩。自動車、産業、IoT(モノのインターネット)の各分野でさらなる成長の可能性が開かれる」とコメントしている。
Cypressの2018年売上高は約24.8億米ドルで、そのうち、30%以上を車載向け半導体事業が占めている。Cypressの買収により、Infineonの売上高規模は100億米ドルを上回り、「世界第8位のチップメーカーになるだろう」(Infineon)とする。また、車載用半導体に限ると、今回の買収により、NXP Semiconductorsを交わして、世界シェア首位になる見通しだ。
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Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジー)とCypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2019年6月3日(ドイツ時間)、InfineonがCypressを約90億ユーロ(約1兆1000億円)で買収することで合意したと発表した。InfineonとCypressは、製品の重複が極めて少なく、自動車領域やIoT(モノのインターネット)におけるエッジ端末領域を中心に“補完関係”にあり、Infineonにとって、Cypressは相乗効果を発揮しやすい相手と言えるだろう。ただし、このところ、半導体メーカー間の大型M&A案件では、規制当局の承認を得られず破談となるケースが相次いでおり、買収が完了するかどうかは、今後の行方を見守る必要がありそうだ。 - InfineonによるCreeのSiC事業買収が破談に
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