5G小型基地局向け、95℃の高温に対応する小型OCXO:日本電波工業が展示(1/2 ページ)
日本電波工業は、「ワイヤレステクノロジーパーク(WTP)2019」(2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で、最大95℃までの高温に対応できる、5G(第5世代移動通信)小型基地局向けの小型OCXO(恒温槽付水晶発振器)「NH9070WC」を参考出展した。
日本電波工業は、「ワイヤレステクノロジーパーク(WTP)2019」(2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で、最大95℃までの高温に対応できる、5G(第5世代移動通信)小型基地局向けの小型OCXO(恒温槽付水晶発振器)「NH9070WC」を参考出展した。
5Gのスモールセルに最適
実用化が近づく5G通信ネットワークでは、多数のスモールセル(小型基地局)が建物内や屋外の電柱などの狭いスペースへ設置される。そのため部品の高密度化によって温度が上昇し、外部環境の影響を受けることが想定される。同社は、今回、この課題のソリューションとして、温度変化の影響を抑えた小型OCXOを実現したという。
NH9070WCは、出力周波数範囲は5〜40MHz、電源電圧は3.3V。独自に開発したASICによって、ー40〜+95℃という動作温度範囲と、同温度内で±20ppbの精度を実現した。さらに、周波数温度スロープ特性±0.5ppb/℃と、周波数のマイクロジャンプも大きく軽減。近傍位相雑音は1kHzオフセット時−80dBc/Hzとなっている。同社の説明担当者は、「95℃の高温対応ができれば、十分にスモールセルに利用できる」と話した。また、サイズは9.5×7.3×4.1mmで、「他社製品と並んで世界最小を実現している」(同社の説明担当者)という。
同社は、2019年7月にサンプル出荷、同年12月に量産開始を予定しているという。
また、同じく9.5×7.3×4.1mmのサイズで、動作温度範囲−40〜+85℃ながら±10ppbという高精度を実現しているモデル「NH9070WB」も展示。こちらは発売中だという。
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