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個別の計測器提供から“テストシステム”の提供へテクトロニクス(1/2 ページ)

テクトロニクスは2019年6月18日、ユーザー向けイベント「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2019」を東京都内で開催。それに併せて来日した、米国Tektronix本社でTime Domain部門のバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるChristopher Witt氏と、オートモーティブ/パワー部門のゼネラルマネジャーを務めるSudipto Bose氏に、Tektronixの戦略などについて話を聞いた。

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 テクトロニクスは2019年6月18日、ユーザー向けイベント「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2019」を東京都内で開催。それに併せて来日した、米国Tektronix本社でTime Domain部門のバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるChristopher Witt氏と、オートモーティブ/パワー部門のゼネラルマネジャーを務めるSudipto Bose氏に、Tektronixの戦略などについて話を聞いた。


「テクトロニクス・イノベーション・フォーラム 2019」 展示エリアの様子(クリックで拡大)

“テストシステム”へのニーズが高い

EE Times Japan(以下、EETJ) 車載向けテストや計測システムにおける現在の動向や課題について教えてください。


TektronixのSudipto Bose氏

Sudipto Bose氏 自動車の電動化が進むにつれて、これまで多数を占めていた機械工学系のエンジニアに加え、電子工学系のエンジニアが自動車の開発に関わるようになっている。さらに、自動車に搭載される電子部品は増加の一途をたどっている。車載向けの電子部品は、言うまでもなく、過酷な環境下で動作しなくてはならず、高い安全性も求められる。“車載向け電子部品×自動車開発では経験が浅いエンジニア”という組み合わせは、システムの評価やテストにおいて課題の一つになっている。

 エンジニアは、これまでのように、単体のモジュールだけを評価していればいい時代ではなくなった。複数のモジュールを接続し、それらがシステムレベルで正しく動作するかを評価する必要がある。

 われわれは、最も大きな課題の一つは、「自動車開発における一連のワークフローを統合して見られるようにすること」だと考えている。例えば、不具合が発生した時に、デバッグをシステムレベルで行う必要があるのか、それともECU(電子制御ユニット)レベル、あるいはチップレベルで必要なのかということを、正しく判断できるテストソリューションが必要だ。

 Tektronixは今後5年間で、こうしたシステムレベルの統合を解決できるソリューションに投資していく予定だ。

 これは、当社の戦略としては大きな移行になる。これまでTektronixは、電気信号をいかに正確に測定するかということに重きを置いてきた。もちろん、それは今後も変わらないが「システム全体の測定をより簡単にするソリューションの提供」というところでも勝負をしていきたい。

EETJ 具体的には、どういった戦略を実行していくのでしょうか。

Bose氏 ソフトウェアの開発やパートナーシップの締結を強化する。例えば、自動車向けテストシステムの開発では、SpirentやChroma Systems Solutionsといった企業と協業している。

 システムをテストする具体例の一つを挙げてみよう。2個のECUを接続したシステムを評価する場合、クロストークを見るにはオシロスコープが、EMIの測定にはスペクトラムアナライザーが、ECU間のシリアル通信をテストするにはプロトコルアナライザーが必要になる。もし、これらを全て一つのソフトウェアで制御できるようになり、さらに解析結果も一つの統合したビューで表示されるようになれば、テストは、よりやりやすくなる。

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