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IoTに焦点を置くRS、「日本で野心的な成長を目指す」RSコンポーネンツ Frank Lee氏(1/2 ページ)

RS Components(日本法人:アールエスコンポーネンツ/以下、RSコンポーネンツ)は、日本を含むアジア太平洋地域を成長市場と位置付け、戦略的な投資を継続する方針。「日本では、今後5〜6年で売上高2〜3倍というような野心的な成長が可能」と語る、RSコンポーネンツ Asia Pacific RS Presidentを務めるFrank Lee氏に聞いた。

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 RS Components(日本法人:アールエスコンポーネンツ/以下、RSコンポーネンツ)は、日本を含むアジア太平洋地域を成長市場と位置付け、戦略的な投資を継続する。特に、エレクトロニクス、インダストリー市場の大きなトレンドである「IoT」や「スマートファクトリー化」に対応する製品、サービスの拡充を図ることで、事業規模を拡大させる方針。「日本では、今後5〜6年で売上高2〜3倍というような野心的な成長が可能」と語るRSコンポーネンツのアジア太平洋地域事業を統括するFrank Lee氏(Asia Pacific RS President)に聞いた。


Asia Pacific RS Presidentを務めるFrank Lee氏

アジア太平洋地域強化に向け組織を再編

EE Times Japan(以下、EETJ) 直近、2019年3月期の業績を振り返ってください。

Frank Lee氏(以下、Lee氏) 2019年3月期の売上高は、全社で18億8440万ポンド(約2580億円)で、実質的な前年度成長率は8.5%増と好調だった。日本を含むアジア太平洋地域に関しては、全社売上高のおおよそ10%に相当する1億9080万ポンド(約260億円)で前年比6.2%増の成長だった。ただ、アジア太平洋地域は前年度である2018年3月期に18.2%増という高い成長を果たしており、欧州、米州、アジア太平洋と3つに分けている地域の中で、成長を期待する市場であることには変わりない。


2019年3月期の地域別売上高 (クリックで拡大) 出典:RS Components

EETJ 営業利益に目を移すと、アジア太平洋地域は赤字が続いています。

Lee氏 アジア太平洋地域は、まだまだ、ビジネスを拡大していくために先行投資を実施する段階であり、その結果として、営業赤字になっている。ただし、今期、2020年3月期については、黒字化しており、懸念には及ばない。

EETJ アジア太平洋地域に投資を行われているとのことですが、RSコンポーネンツにおけるアジア太平洋地域および、日本の位置付けについて教えてください。

Lee氏 今後、RSコンポーネンツとして成長を目指す上で、アジア太平洋地域、とりわけ、中国、そして日本は、重要な市場だと位置付けている。

 そうした中で、1年前の2018年6月に組織再編を行った。それまで、世界を5つのエリアに分けた「5極体制」を敷いていたが、それを欧州、米州、そしてアジア太平洋の「3極体制」に集約した。狙いは、よりアジア太平洋地域でのビジネスを構築しやすくするためだ。

世界各地に倉庫を展開し、顧客に近い場所でサービス提供

EETJ アジア太平洋地域の組織規模、事業規模について教えてください。

Lee氏 従業員数はおおよそ650人。アクティブな顧客数は10万社を数える。売り上げ同様、アクティブ顧客数も全社の約1割をアジア太平洋地域の顧客で占める計算だ。こうした約10万社の顧客に対し、アジア太平洋地域の計4カ所の倉庫を中心に、1日当たり5000個(梱包ベース)の出荷を行っている。

EETJ 現状の在庫数に教えてください。

Lee氏 グローバルに10カ所倉庫を持ち、その在庫点数は、SKU(ストック・キーピング・ユニット/在庫管理における最小単位)ベースで60万点を超える規模になっている。この豊富な在庫数、2500社を超える取り扱いメーカー数は、RSコンポーネンツの大きな特長であり、強みの1つだ。

 また、世界各地に倉庫を構え、顧客に近い場所でサービスを提供しているという点も特長だろう。日本についても、横浜市瀬谷区に倉庫を置き、常時8万〜10万点の在庫を保有している。そのため、日本の顧客に対しても、発注翌日に商品をお届けできる体制が整っている。もちろん、横浜の倉庫に在庫がない場合は、上海など海外の倉庫を利用して商品をお届けする。その場合でも、3〜4日という短納期を実現している。

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