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インタビュー

IoTに焦点を置くRS、「日本で野心的な成長を目指す」RSコンポーネンツ Frank Lee氏(2/2 ページ)

RS Components(日本法人:アールエスコンポーネンツ/以下、RSコンポーネンツ)は、日本を含むアジア太平洋地域を成長市場と位置付け、戦略的な投資を継続する方針。「日本では、今後5〜6年で売上高2〜3倍というような野心的な成長が可能」と語る、RSコンポーネンツ Asia Pacific RS Presidentを務めるFrank Lee氏に聞いた。

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IoT、IIoT、Industry4.0に焦点を当てて、サービス強化へ

EETJ 今後、アジア太平洋地域で事業成長を実現するためにどのような戦略を描いていますか。

Lee氏 電子部品などのエレクトロニクス商材と産業市場向けのさまざまな機器を中心にした豊富な品ぞろえが基盤になって、少量多品種のニーズに対応可能な“ハイサービス”を提供できる「ハイサービスディストリビューター」としてこれまで成長してきた。

 ハイサービスディストリビューターとして引き続き成長を目指していく姿勢は変わりないが、その中で、今年度からは、より成長領域にフォーカスした取り組みを増やし、安定した成長を実現していきたいと考えている。

EETJ フォーカスする成長領域はどのような領域ですか。

Lee氏 エレクトロニクス、産業分野の顧客は、IoTやインダストリーIoT(以下、IIoT)、Industry4.0などと呼ばれるデジタルファクトリーといったトレンドの方向にシフトしている。そこで、このIoT、IIoT、Industry4.0という3つのトレンドを成長領域として定め、こちらの分野で生じるニーズをしっかりと把握し、それに応えるサービスを提供していく方針だ。

EETJ IoT、IIoT、Industry4.0のニーズに応えるサービスとは、どのようなものを想定されていますか。

Lee氏 IoTであれば、センサーなどIoTで必要になる電子部品を取りそろえていく必要があるだろう。IIoT、Industry4.0に対しても、そうした電子部品に加え、デジタルファクトリーを実現するための機器の取り扱いを増やす必要がある。

 当社では、ニーズを満たす上で、足りていない商材については、自社ブランド「RS PRO」商品として取りそろえ、販売するという取り組みを行っている。価値のある商品を自ら調達するというコンセプトのこのRS PROシリーズはとても好評で、全社売り上げの12%程度を占めるようになっている。IoT、IIoT、Industry4.0のニーズに応えるためには、この自社ブランド事業も積極的に活用していく。今後数年で、自社ブランド品売り上げ比率は、現状の2倍、25%程度まで高まるだろう。

 そして、自社ブランド品を含めたこうした取り扱い商材の拡大の先には、IoT、IIoT、Industry4.0に対し“ソリューション”を提供していくことになるだろう。ソリューションは、商材とともに、ソフトウェアを提供するかもしれないし、何らかのサービスを提供することになるかもしれない。おそらく、ソリューションの提供に向け、パートナーとの連携強化が必要になるだろう。場合によっては、M&Aを実行することもあるだろう。いろいろな選択肢を持ちながら、IoT、IIoT、Industry4.0のニーズを満たすことを徹底し、成長を実現したい。

日本固有のニーズにも応える

EETJ 日本市場に対し、特別な成長戦略はありますか。

Lee氏 日本でも、IoT、IIoT、Industry4.0にフォーカスして安定した成長を実現する。ただ、IoT、IIoT、Industry4.0においても日本固有のニーズがあるので、そうした日本のニーズに対応することが必要だと考えている。特に、日本はIoTに関連した電子部品の需要が大きいと考えており、品ぞろえを強化したい。

 また、全社的な動きでもあるのだが、オンラインでの販売、いわゆる“デジタル販売”の体制強化も継続して実施する。


日本で提供するサービスの概況 (クリックで拡大) 出典:RS Components

 実は、日本はデジタル販売比率が全世界で最も高く90%を占める。全世界平均では、おおよそ60%で、40%はオフライン販売。日本がいかにデジタル化が進んでいるか理解してもらえるだろう。そうした状況に対応するため、数年前からデジタル販売を強化する組織作りを日本で実施し、日本の顧客のWeb利用増大も相まって、2018年度以降、大きな売り上げ成長を達成している。さきほど、2018年に全社的な組織再編を行ったと述べたが、その組織再編では、デジタルへの対応強化も進めており、全社的にもデジタル販売体制を強化することになった。そのため、日本でも、付加価値の高いデジタル販売サービスを提供することができるだろう。

 日本での成長余地は大きく、今後5〜6年で、売り上げ規模を2〜3倍にするといった野心的な成長を狙っていく。

EETJ 競合のディストリビューターも存在しますが、現状、日本でRSコンポーネンツはどのようなポジションにあると評価されていますか。

Lee氏 われわれがターゲットにしている“ハイサービス”の提供対象領域では、最も良い位置にいると考えている。むしろ、われわれのようなハイサービスを提供できる競合は存在しないと思っている。

 多くの取り扱いメーカー、豊富な在庫に加え、大きな顧客基盤もある。そこで得られる情報、データ量は多く、そのデータを活用することで、顧客が必要とする在庫を確実に保有し、短納期で提供するなどのより付加価値の高いサービスが提供できるようになり、さらに多くの顧客の支持を得ることができる。こうしたことが行えるのは、RSコンポーネンツだけだと考えている。

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