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個別の機器・技術ではなく、市場と応用、ユースケースを描く福田昭のデバイス通信(191) 2019年度版実装技術ロードマップ(2)(1/2 ページ)

JEITAが発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会から、概要を説明するシリーズ。ロードマップ作成で中心的な役割を果たしたJisso技術ロードマップ専門委員会の5つのミッションと、2019年度版ロードマップで注目すべき4点を紹介する。

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2019年度版のロードマップが目指すもの

 前回から、電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご説明している。前回は完成報告会のプログラムやロードマップ本体の目次などをご紹介した。今回からは、完成報告会の内容をベースに、ロードマップ(書籍)の内容を加えながら、「2019年度版 実装技術ロードマップ」の概要を順次、説明していく。

 ロードマップの作成で中心的な役割を果たしたのは、JEITAのJisso技術ロードマップ専門委員会である。完成報告会では始めに、同委員会の委員長を務める深澤秀幸氏(日立製作所)が、同委員会の活動目的(ミッション)と、実装技術ロードマップの2019年度版の作成で重視した事柄や社会的な背景などを説明した。

 Jisso技術ロードマップ専門委員会のミッションは主に5点ある。1)実装技術の競争優位性の確保と実装技術の新たな創造、2)市場や技術の将来動向の予測と必要とされる「ものづくり技術」の明確化、3)産業界と教育機関に対する「戦略的情報発信」の実行、4)海外の関係機関に対する情報発信の助けとなること、5)「システム統合設計技術という新しい技術体系に進化させるために、関連業界・学会等が連携して研究開発に関する検討および提案をすること」(原文ママ)、だとする。なお、「戦略的情報発信」と「ものづくり技術」、5)の内容は筆者には具体的な理解が難しかったので、原文通りにしてある。


Jisso技術ロードマップ専門委員会のミッション。完成報告会の発表スライドを筆者が撮影したもの(クリックで拡大)

 そしてロードマップを描くときに重視すべき視点として、「個別の機器や個別の技術を中心に描くのではない」とした。これはかなり興味深い考え方だ。それでは何を描くのかというと、「市場/アプリケーション/ユースケース」だとする。ここで重視するのは、異なる種類の(ヘテロジニアスな)技術の融合である。そして技術(IoT/ビッグデータ/AI)の社会実装による社会問題の解決と、新たな社会の形成に貢献すべきであるとした。


世界の潮流と、ロードマップを描く際に重視すべき視点。完成報告会の発表スライドを筆者が撮影したもの(クリックで拡大)

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