連載
個別の機器・技術ではなく、市場と応用、ユースケースを描く:福田昭のデバイス通信(191) 2019年度版実装技術ロードマップ(2)(2/2 ページ)
JEITAが発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会から、概要を説明するシリーズ。ロードマップ作成で中心的な役割を果たしたJisso技術ロードマップ専門委員会の5つのミッションと、2019年度版ロードマップで注目すべき4点を紹介する。
情報通信、医療・生命科学、自動車などの技術動向と課題を深掘り
さらに、2019年度版ロードマップで注目すべき点を4点ほど、挙げていた。最初は、どのようなテーマを取り上げたか、である。前回で説明したように、ロードマップの本文は第2章の「注目される市場と電子機器群」、第3章の「電子デバイスパッケージ」、第4章の「電子部品」、第5章の「プリント配線板」、第6章の「実装設備」で構成されている。
ここで重要なのは、第2章の「注目される市場と電子機器群」で「何を」テーマとするかである。2019年度版ロードマップでは、「情報通信」「メディカル・ライフサイエンス(医療・生命科学)」「モビリティ(自動車)」「新市場・新材料・新技術」を取り上げた。これが1点目だ。そして2点目は、これらの分野について市場や応用(アプリケーション)、実装関連の技術動向、技術的課題を深掘りしたことである。
3点目は、外部有識者の情報を活用すること。4名の有識者を挙げていた。4点目は、先端技術動向と海外動向の調査活動である。海外調査や意見交換会、外部団体との交流会などを実施した。これらの活動が、ロードマップの内容に反映されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- エレクトロニクスと実装技術の将来を展望するロードマップ
今回から、JEITAが作成した「2019年度版 実装技術ロードマップ」の概要を紹介していく。まずは、2019年6月4日に開催された同書の完成報告会のプログラムと、ロードマップ本体の目次を見てみよう。【訂正あり】 - Intelの創業10年目(1977年):フロッピードライブやCRTモニターなどのコントローラーを発表
Intelの創業10年目となる1977年。今回はマイクロコンピュータ製品の動向を説明する。 - 半導体実装、30℃フリップチップ実装を目指す
コネクテックジャパンは、5月28日、本社(新潟県妙高市)で、報道関係者向けに事業戦略などの説明会を行った。同社社長の平田勝則氏は、独自の技術によって既に80℃までの低温フリップチップ実装を実現していることを紹介。現在は30℃での実装技術を開発中といい、「あらゆるものでIoT(モノのインターネット)を実現するには、低温、低荷重という切り口が絶対に必要だ」と話した。 - リフロー実装対応、SIIのMS系リチウム二次電池
セイコーインスツル(SII)は、リフローによる実装を可能としたマンガン−シリコン(MS)系リチウム二次電池2品種を開発した。 - 次々世代の不揮発性メモリ技術「カーボンナノチューブメモリ(NRAM)」
次世代メモリの有力候補入りを目指す、カーボンナノチューブメモリ(NRAM:Nanotube RAM)について解説する。NRAMの記憶原理と、NRAMの基本技術を所有するNanteroの開発動向を紹介しよう。 - 抵抗変化メモリ(ReRAM)の製品化動向と製造コスト見通し
抵抗変化メモリ(ReRAM)の製品化動向と製造コスト見通しを紹介する。特に、ReRAMの製品化で大きな役割を果たしているベンチャー企業各社を取り上げたい。