ハードディスク業界の国内最大イベント、今年は7月末に開催(後編):福田昭のストレージ通信(155)(2/2 ページ)
2019年7月25〜26日に開催される「国際ディスクフォーラム」のプログラムを紹介する。後編では、2日目(7月26日)のプログラム内容を取り上げたい。
人工知能(AI)と監視カメラが期待するストレージの役割
続いてデータ解析サービス企業のFRONTEOで執行役員兼技師長を務める野崎周作氏が、「普及期に入るAIがもたらすデータ活用と運用の変化」と題して講演する。企業やユーザーなどによるデータの取り扱いの変遷を見てきた立場から、AIがビジネスの現場に及ぼす影響や効果を報告する。
それからセキュリティソリューションの提供企業であるビデオテクニカで代表取締役社長を務める住谷健氏が、「監視カメラ業界が望むストレージとは?監視カメラ業界のストレージに関する現状・展望、不満と期待」と題して講演する。監視カメラ業界が使うストレージとしては、記憶容量とコストの要求からHDDが標準的に使われている。しかしHDDの冗長性を確保する手法はRAID5のままで進歩があまりない。講演では監視カメラ業界に足りないものや必要とするもの、ストレージを述べる。
ここで休憩を挟んで、午後の後半に入る。まず、HGSTジャパンでシニアテクノロジストを務める柿原俊男氏が「フラッシュストレージの概要と動向」と題して講演する。HDD互換のストレージとして登場したSSDの性能と構造的な特徴を紹介するとともに、SSDがコンピューティングに与えた影響、3D NANDフラッシュ技術や次世代不揮発性メモリ技術を説明する。
最後に産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門の研究グループ長と文部科学省光・量子飛躍フラッグシッププログラムQ-LEAP 量子情報処理領域のサブプログラムディレクタを務める川畑史郎氏が、「量子コンピュータの最新動向と展望」と題して講演する。量子コンピュータの基礎から最新の研究開発動向までを解説する。それから、ビジネスの可能性や商用化の課題、磁性デバイスへの期待などにふれる。
このほか7月25日〜26日の開催期間中は「参考展示」と呼ぶ、小規模な展示コーナーが設けられる。ストレージやアーカイブなどのベンダーやストレージ関連企業、大学などによる展示を予定している。
なお、国際ディスクフォーラムのプログラムは、こちらから閲覧できる。興味のある方はご参照されたい。
(次回へ続く)
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