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中国 紫光集団がDRAM事業設立へメモリ開発強化を急ぐ

中国の国有企業であるTsinghua Unigroup(清華紫光集団)が、新しいDRAM企業を設立した。中国は、米国との貿易摩擦が続く中、半導体技術の国外依存度を少しでも下げようとしている。

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 中国の国有企業であるTsinghua Unigroup(清華紫光集団)が、新しいDRAM企業を設立した。中国は、米国との貿易摩擦が続く中、半導体技術の国外依存度を少しでも下げようとしている。

 新設したDRAM企業のCEOを務めるのはCharles Kao氏。Inotera Memories(Micron Technologyの完全子会社)の元チェアマンで、Nanya Technologyの元プレジデントを務めた経験を持つ。同氏はまた、Yangtze Memory Technology(YMTC)のチェアマンでもある。なおYMTCも親会社がTsinghua Unigroupであり、NAND型フラッシュメモリを手掛けている。

 中国は、2025年までに、国内の大規模なエレクトロニクス市場に供給するために必要な半導体の70%を国内で生産することを目標としている。国内半導体産業を強化しようとする中国の政策は、米中貿易戦争において新たな課題に直面している状況だ。米トランプ政権は2019年5月に、通信大手のHuaweiとその関連企業を「エンティティリスト(Entity List)」に加えた。事実上の「禁輸措置」である。中国にとって、Huaweiがエンティティリストに加えられたことは、半導体の国内供給を、これまで以上に加速する必要が生じたことを意味する。

DRAM開発を中止したJHICC

 中国にはもう一つ、DRAMメーカーの有望株がある。JHICC(Fujian Jinhua Integrated Circuit Company:福建省金華集積回路会社)だ。だが同社は2019年初頭にDRAMの開発を中止した。JHICCは2018年にエンティティリストに加えられ、Applied MaterialsやKLA-Tencorといった米国の製造装置メーカーからの装置輸入に制限がかけられたのだ。

 EE Timesは2019年3月、Tsinghua Unigroupが、新しいDRAM企業を率いてもらうべく、中国のファウンドリーSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)の共同CEOであるHaijun Zhao氏を雇用しようとしていると報じた。だが、Zhao氏は現在もSMICに在籍していて、Tsinghua Unigroupの新しいDRAM企業に関係しているようには見えない。

 台湾の市場調査会社であるTrendForceによれば、新しいDRAM企業は、YMTCの製造経験や、Tsinghua Unigroupと子会社のUnigroup Guoxin Microelectronics Corporation(紫光国芯微電子)との関係からメリットを受けるだろうとしている。Unigroup Guoxin MicroelectronicsもDRAM開発を手掛けているので、今回の新DRAM企業にも何らかの形で関わっている可能性もある。Tsinghua Unigroupは現在、中国・南京に工場を建設中で、別の工場がある重慶市と密接に協力していると、TrendForceは述べた。

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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