韓国に対する輸出管理の厳格化をめぐる動きが、発表から1カ月もたたないうちに泥沼化しています。ちょうど、世界貿易機関(WTO)の一般理事会がスイスで始まっており、輸出管理強化について議論が行われる(正確には、このコラムを書いている7月24日に持ち越しとなりましたね)予定です。
日韓両国の報道機関による“あおり合戦”もヒートアップする一方ですが、今回は特に、半導体材料が絡むだけに無関心ではいられません。
いろいろな報道を読んだり、半導体材料の分野に詳しいアナリストや技術ジャーナリストの方々に話を聞いていたりすると、どうも気になる点が2つあります。
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