MicronがシンガポールのNANDフラッシュ工場を拡張:最先端技術の移行を加速
Micron Technology(Micron)は2019年8月14日(シンガポール時間)、シンガポールに所有するNAND型フラッシュメモリ生産工場の拡張を完了し、その完成を祝うオープニングセレモニーを開催した。
Micron Technology(Micron)は2019年8月14日(シンガポール時間)、シンガポールに所有するNAND型フラッシュメモリ生産工場の拡張を完了し、その完成を祝うオープニングセレモニーを開催した。
シンガポール工場は、Micronが「NANDセンター・オブ・エクセレンス」と呼ぶ拠点で、最先端の3D NANDフラッシュを製造している。DRAMとNANDフラッシュの両方を手掛けることを強みとしているMicronにとっては、「DRAMセンター・オブ・エクセレンス」である広島工場(広島県東広島市)と双璧をなす存在となっている。
シンガポール工場には「Fab 10N」「Fab 10X」の2つの製造棟があり、今回拡張した新棟は「Fab 10A」となる。Fab 10Aは“生産能力の拡張”という位置付けではなく、最先端の3D NANDフラッシュ技術を移行して製造するための工場となる。まずは64層の3D NANDフラッシュの製造からスタートし、今後数年間で96層、そして128層へと移行していく予定だ。なお、拡張の規模(Fab 10Aのクリーンルームの面積)については「非公開」(Micron)だという。
Micronのプレジデント兼CEOを務めるSanjay Mehrotra氏は、オープニングセレモニーで「AI(人工知能)、5G(第5世代移動通信)、IoT(モノのインターネット)など膨大な量のデータが生成される時代では、データをいかに“意味のあるもの”に変換するかが鍵になる。そのためには、データを素早く転送したり解析したりすることが欠かせない。それを実現するのがMicronのメモリだ」と語った。
オープニングセレモニーには、Micronの従業員に加え、顧客、サプライヤー、代理店、シンガポールの行政関係者など総勢500人が参加した。主賓として招かれたシンガポールの副首相兼財務大臣のHeng Swee Keat氏は、「現在、シンガポールは半導体世界市場の11%(ウエハー処理量ベース)を占めており、60社以上の半導体企業の拠点となっている。半導体産業はシンガポールのGDPの7%以上を占めている」と述べ、シンガポールにとって半導体産業が欠かせないことを強調。これまでシンガポールにおいて150億米ドル以上の投資をしてきたMicronが、シンガポールの半導体産業で重要な位置付けにあると語った。
なお、詳細については後日、掲載する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Micron広島工場の新棟が完成、1Y/1Znm生産加速
Micron Technology(以下、Micron)は2019年6月11日、同社広島工場の新製造棟(B2棟)の完成と生産開始を記念し、オープニングセレモニーを行った。新棟では、10nm台の第2世代となる「1Ynm」プロセスでの生産を開始。2019年末には、同第3世代である「1Znm」の生産も開始する計画だ。 - Micronがメモリ減産へ、需要低迷を受け
米Micron Technology(以下、Micron)は、需要の低迷が続きメモリ市場が減速していることを受け、2019および2020会計年度の設備投資計画を縮小し、ウエハーの生産を削減すると発表した。 - 東芝メモリ、新型リムーバブルメモリデバイス開発
東芝メモリは、ウルトラモバイルPCなどに向けた、新しいリムーバブルPCIe/NVMeメモリデバイス「XFMEXPRESS」を開発した。 - HDD大手Western Digitalの四半期業績は4期連続の減収減益
今回はWestern Digitalの四半期決算(2019年会計年度第4四半期)を紹介する。売上高は4四半期連続の減収となったものの、底を打つ兆しが見えてきた。 - 新材料で次々世代を狙う「強誘電体メモリ(FeRAM)」
今回は「強誘電体メモリ(FeRAM)」を取り上げる。FeRAMの記憶原理と、60年以上に及ぶ開発の歴史を紹介しよう。