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アナログやパワーデバイスでも、ファブ活用の価値はある:大山聡の業界スコープ(20)(2/4 ページ)
2019年7月23日付掲載の記事「90nmプロセスの多用途展開を加速するMaxim」は、興味深い内容だった。Maximは大手アナログICメーカーとして著名なIDM(垂直統合型)企業だが、ファウンダリメーカー(以下、ファウンダリ)の活用に関しても積極的だと聞いており、筆者はこの記事を読み「なるほど」と合点がいった。そこで、今回はファウンダリの活用方法について、私見を述べたいと思う。
ファウンダリ各社の現状を紹介
では、どういったファウンダリが候補として存在するのか。ファウンダリ専業企業やIDMのファウンダリ事業部などから、いろいろな委託先が考えられるが、ここでは上場している(決算情報を開示している)ファウンダリ専業企業の現状について、以下に紹介していく。
TSMC
ファウンダリ業界の最大手、ガリバー的な存在で、大手ファブレスはほぼ例外なく同社の顧客である。生産能力も最先端技術も業界のトップを独走しており、2020年からは5nmプロセスの量産が開始される。機器メーカーとして同社に生産委託しているのはAppleなど大手スマートフォンメーカーに限定されている。
UMC
首位のTSMCとは大きく差が開いてしまったが、日本市場においては富士通の三重工場(=三重富士通セミコンダクター)を買収することで、車載向けを中心に積極的な事業展開を計画中である。アジアのファブレスメーカーが主要顧客で、28〜40nmクラスの売上比率が高いが、アナログICやパワーデバイス向けに350〜500nmクラスも広くカバーしている。
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