行動認識AI×IoTボールで、サッカー選手をコーチング:28GHz帯の5G通信実演も(1/2 ページ)
KDDIは、「CEATEC 2019」(幕張メッセ、2019年10月15〜18日)で、行動認識AIとセンサー内蔵ボールを組み合わせた「アスリート育成支援システム」などを展示した。このシステムはKDDIとKDDI総合研究所のスポーツ行動認識AIとアクロディアが開発するセンサー内蔵サッカーボールで取得したデータを活用し、シュートフォームのアドバイスなどが行えるという。
KDDIは、「CEATEC 2019」(幕張メッセ、2019年10月15〜18日)で、行動認識AIとセンサー内蔵ボールを組み合わせた「アスリート育成支援システム」などを展示した。このシステムはKDDIとKDDI総合研究所のスポーツ行動認識AIとアクロディアが開発するセンサー内蔵サッカーボールで取得したデータを活用し、シュートフォームのアドバイスなどが行えるという。
スマホとボールがあればOK
KDDI、KDDI総研が開発したスポーツ行動認識AIは、スマートフォンなどのカメラで撮影した映像から、選手の大まかな骨格や目や鼻の位置17点を認識後、17点の骨格の位置から手の指関節42点、足の指関節6点を認識。合計65点の骨格の動きから選手のフォームや身体の使い方をリアルタイムかつ正確に解析するというもの。手足の指まで細かく解析が可能なため、野球やサッカー、クライミングやラグビーなどさまざまなスポーツにおいて利用できるという。アクロディアのセンサー内蔵サッカーボールは、角速度、加速度、地磁気センサーをそれぞれ3軸搭載、Bluetooth 5.0に対応し、最大約20m通信が可能となっている。
来場者が体験できたデモの様子。サッカーボールを蹴ると、カメラの映像を元にしたフォームのデータと、ボールからのセンシングデータが分析され、会場に設置されたモニター上にアドバイスが表示された(クリックで拡大)
今回、展示していたアスリート育成支援システムは、このスポーツ行動認識AIで取得した選手の動きと、センサー内蔵サッカーボールによるボールの速度や回転数、回転軸などのデータを統合。クラウド上で競技者の動きがボールに与える影響などを詳細に分析したうえで、プロ選手などの有識者によるデータに基づいたフォーム分析、コーチングなどをリアルタイムで行うという。
KDDIとアクロディアは2019年7月から、センサー内蔵ボールで取得したデータを活用し選手の技術向上に役立てるスポーツIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「athle tech(アスリーテック)」の提供を開始しており、今回のシステムは、このなかの1つの機能として導入を進めていく方針だ。
アクロディアは、既にセンサー内蔵の硬式ボールによるサービスを提供しているが、今回のシステムに合わせて新たに各種ボールを開発したという。会場ではサッカーボールのほかバレーボールやゴルフボールなども展示していた。
今回、会場では4Kカメラによって画像を取得していたが、説明担当者は、「スマートフォンのカメラでも問題ない。指先まで認識できるのでジェスチャーによる操作も可能で、ボールとスマホさえあればどこでも簡単に利用ができる」と説明。「今後5Gの普及に合わせ、より高精度で低遅延な分析が行えるようにしていきたい」と話していた。
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