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“命を救う”ミリ波3D画像センサー、日本市場に本格投入イスラエルVayyar Imaging(1/2 ページ)

3D(3次元)イメージング用のレーダーセンサーを手掛けるイスラエルのVayyar Imaging(バイアー・イメージング)は2019年11月28日、シリーズD投資において120億円を調達し、日本市場での製品展開を強化すると発表した。

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 3D(3次元)イメージング用のレーダーセンサーを手掛けるイスラエルのVayyar Imaging(バイアー・イメージング)は2019年11月28日、都内で記者説明会を開催。シリーズD投資において120億円を調達し、日本市場での製品展開を強化すると発表した。

 同社は、乳がん検診向けの新しいイメージセンサーを開発することを目的に、現CEO(最高経営責任者)であるRaviv Melamed氏らによって2011年に設立された。このイメージセンサーを使ったシステムは現在、イスラエルの病院と実証実験を行っているさなかで、数年以内には実用化できる計画だという。


ミリ波イメージセンサーを掲げるVayyar Imaging CEOのRaviv Melamed氏

 Vayyar Imagingは設立翌年の2012年にシリーズA投資で1200万米ドルを獲得して以来、合計1億8900万米ドルの資金を獲得している。現在までに4製品を商品化していて、イメージングデバイスの出荷実績は累計25万個に上る。同社のミリ波イメージングセンサーは、72個のトランシーバーと高性能なDSPを内蔵したSoC(System on Chip)で、3G〜81GHz帯をサポートする。

 Melamed氏はVayyar Imagingのミリ波イメージセンサーについて、1)天候や光などの環境条件に影響を受けない「堅ろう/安全性」、2)カメラを使う必要がなく、センサーを装着する必要もないので「プライバシーを保護できること」、3)壁の向こう側にあるパイプなどを検知できる「“透視”可能」という3つのメリットを挙げた。

Vayyar Imagingのミリ波イメージセンサーの利点(左)と、ミリ波イメージングセンサー。センサーは手のひらに乗るサイズだ(クリックで拡大)

 Vayyar Imagingは、同SoCを、自動車、スマートホーム、リテールなどさまざまな分野に展開している。Melamed氏によれば、SoCのDSPに実装するアルゴリズムを変えるだけで、幅広い検知対象に対応できるという。


Vayyar Imagingのターゲット分野(クリックで拡大)
カメラとVayyar Imagingのイメージセンサーによる、会議室内の人数カウントの比較。カメラでは人物の検出がうまくいかず、人数が安定しないこともあったが、Vayyar Imagingのイメージセンサーは常に安定していた(左)。また、会議室の照明が切れるとカメラでは全く検知できない(実は人がいる)が、イメージセンサーでは正しくカウントできる(クリックで拡大)
記者説明会でのデモの様子。横たわっている様子(左)が、きちんと反映されている(右)。検知する範囲はソフトウェアで変更できる。転倒検知であれば最大6m四方くらいのエリア、人数のカウントであれば最大10〜15m四方くらいのエリアまで検知可能だという(クリックで拡大)

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