IoTクラウドサービスで大日本印刷とArmが協業:高セキュリティのサービスを提供
大日本印刷(DNP)は、高いセキュリティ機能を備えたIoT(モノのインターネット)サービスを提供するため、Armとの協業を発表した。
第三者によるシステム侵入から重要情報を守る
大日本印刷(DNP)は2019年11月、高いセキュリティ機能を備えたIoT(モノのインターネット)サービスを提供するため、Armとの協業を発表した。
協業の第一弾として、DNPのセキュアエレメント(eSE:embedded Secure Element)と、Armが提供するIoTクラウドサービス「Pelion(ペリオン)IoT Platform」を組み合わせたIoTサービスを開発する予定だ。2019年度末までに、プロトタイプを用いたコンセプト実証(PoC)を行う。その上で2020年度より本格的なサービス、製品販売を始める計画である。
DNPのeSEは、ICカードのソフトウェア開発などで培った耐タンパー技術とセキュアプログラミング技術を応用して開発、金融機関や決済端末メーカーなどに提供してきた。eSEは暗号鍵や証明書などを保持し、通信の際に重要情報の暗号化や復号を行うことで、高いセキュリティを実現する。一方、Armは、プロセッサコアなどのデバイスや接続状況および、取得したデータなどを一元管理するための「Pelion IoT Platform」を2018年より提供している。
基板上にeSEが実装されたIoT機器をPelion IoT Platformに接続すると、第三者による不正なシステム侵入などがあっても、eSEに格納されたIDや暗号鍵、証明書といった重要な情報を、安全に管理することが可能となる。また、相互認証により現場に設置された機器の管理やデータ通信も安全かつ効率的に実行することができるという。
なお、開発するIoTサービスのデモを、2019年12月6日に「東京コンファレンスセンター・品川」で開催される「Arm Tech Symposia 2019 Japan」会場で行う。
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