MEMS加速度センサーで精密な「たわみ計測」を実現:16個並列でノイズを大幅に削減(1/2 ページ)
アナログデバイセズ(ADI)は「第6回鉄道技術展2019」(2019年11月27〜29日、幕張メッセ)で、同社の低ノイズMEMS加速度センサーを活用した「橋梁のたわみ測定ソリューション」などを展示した。
アナログ・デバイセズ(ADI)は「第6回鉄道技術展2019」(2019年11月27〜29日、幕張メッセ)で、同社の低ノイズMEMS加速度センサーを活用した「橋梁のたわみ測定ソリューション」などを展示していた。
16個使用でノイズを4分の1に削減
構造物モニタリング向けのコンセプトソリューションとして展示していたのは、同社の低ノイズ加速度センサー「ADXL355」を活用したデモだ。ADXL355は、測定時で200uA、スタンバイ時なら20uAという低消費電力と、ノイズ密度25μg/√Hzという「超低ノイズ」が特長の加速度センサーとして同社が提供しているものだ。
ただ、加速度のデータから橋梁等の変位(たわみ)量測定を行うには、ADXL355単体のノイズ密度では不十分だったという。そこで、同社は16個のADXL355を並列し、独自の適応信号処理を行うことで、6.25μg/√HZ(理論値)にまで低ノイズ化に成功。単体の場合(25μg/√Hz)と比較すれば約4分の1となる。これにより、変位量測定での実用が可能になったという。説明担当者は、「従来は高価なセンサーが必要な作業だが、このモジュールを活用することで低コスト化が実現できる。また、従来使用されているセンサーと比較すれば、100分の1以下の低消費電力で動くので電池で十分に動作する」と話していた。
このコンセプトソリューションは、16個のADXL355やArm「Cortex-M3」ベースのマイコン「ADuCM3029」を搭載したモジュールに、無線センサーネットワーク技術「SmartMesh」無線モジュールも組み合わせており、200mまでの距離(環境によって変化)でメッシュ型ネットワークによる通信が可能だ。
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