世界電子情報産業生産額、2020年には3兆ドル超へ:2年連続で過去最高額更新と推計、JEITA
電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年12月18日、世界の電子情報産業生産額が2020年に3兆807億米ドルとなり過去最高額を更新する、という見通しを発表した。2019年についても過去最高は更新するが、世界経済の先行き不透明感の拡大に伴う投資抑制などから前年比1%増の2兆9219億米ドルにとどまると推計している。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年12月18日、世界の電子情報産業生産額が2020年に3兆807億米ドルとなり過去最高額を更新する、という見通しを発表した。2019年についても過去最高は更新するが、世界経済の先行き不透明感の拡大に伴う投資抑制などから前年比1%増の2兆9219億米ドルにとどまると推計している。
世界の電子情報産業の生産規模をデータによって明確にするとともに、世界における日系企業の位置付けを把握することを目的として、JEITAが2007年から継続実施している調査によるもの。JEITAが会員企業を対象として実施したアンケート調査をまとめ、推計している。
5Gの本格化などで2020年には3兆米ドル超規模に
発表によると、JEITAは2019年の電子情報産業世界生産額を2兆9219億米ドルと推計している。これは過去最高額ではあるが前年比1%の微増という予測で、JEITAは「データ利活用の高度化、自動化が進むことでソリューションサービスが好調となったが、世界経済の先行き不透明感の拡大に伴う投資抑制などで電子部品、半導体生産額が対前年を下回る見込みとなった」と要因を挙げている。
一方で2020年の見通しについては、引き継き世界経済の先行きに懸念はあるものの、各国での5G(第5世代移動通信)の進展や「攻めのIT投資のさらなる拡大」が期待できると分析。その結果、同年の世界生産額は3兆807億米ドルとなり、2年連続で過去最高を更新すると推計している。
品目別にみると、電子部品や半導体が伸長するほか、ソリューションサービスが「利活用分野の広がりによって、今後も需要の拡大が見込まれる」ことから、2019年、2020年ともに過去最高の世界生産額を更新するとみている。
日系企業は2019年マイナス成長の見込み
2019年の海外生産分を含む日系企業の世界生産額については、電子部品、半導体の低調が大きく影響することから前年比3%減の37兆3669億円を見込んでいる。ただ、「今後はIoT(モノのインターネット)機器やソリューションサービスの需要拡大が期待できるほか、5G関連投資の拡大も見込まれる」としており、2020年は前年比2%増の38兆1065億円と、プラス成長に転じる見通しを示している。
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