5G世界需要額、2030年に168.3兆円まで拡大、JEITA:ローカル5Gも2030年には10.8兆円と推計
電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年12月18日、2030年には5G(第5世代移動通信)の世界需要額が168.3兆円になる、とする見通しを発表した。ローカル5Gについても2020年に市場が立ち上がり、2030年には世界需要額が10.8兆円に達すると推計している。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年12月18日、5G(第5世代移動通信)の世界需要額が2030年に168.3兆円となるという見通しを発表した。ローカル5Gについても2020年に市場が立ち上がり、2030年には世界需要額が10.8兆円に達すると推計している。
2018年の300倍に拡大
この調査は、JEITAが国内外の関連企業、団体へのヒアリングをもとに定量的に推計したものだ。調査によると、5G市場の世界需要額は年平均63.7%増で成長し、2030年には168.3兆円に達すると予測している。2018年の世界需要額は0.5兆円であり、約300倍に拡大する見込みだ。
品目別にみると、IoT(モノのインターネット)機器では自動運転車やロボット、ネットワークカメラなどが、ソリューションサービスでは製造、金融、流通/物流などが、それぞれ需要をけん引すると推計。JEITAは、「超高速大容量、超低遅延、超高信頼、多数同時接続という5Gの特性を生かし、民生、産業用途を問わず、工場、病院、農場、建築現場、スタジアム、街など、多様な場面で新たなサービスが次々と生まれる。5GはSociety 5.0(超スマート社会)の基幹インフラとして社会に定着するとともに、CPS(サイバーフィジカルシステム)、IoT との組み合わせによって新たな価値創造につながることが期待されている」としている。
このうち、クローズドな空間でプライベートに利用できることから産業領域などでの期待が高まる「ローカル5G」については、2020年に市場が立ち上がり、世界需要額は年平均65.0%増で成長、2030年には10.8兆円に拡大すると推計している。
日本国内でも、5Gの需要額は2020年から年平均71.3%で成長し、2030年には1.3兆円となる見通しだという。品目別に見ると、日本市場では、IoT機器としてロボットやドローン、自動運転車が、ソリューションサービスとして製造分野向けが需要をけん引するとしている。
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