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IoTエコシステムのさらなる拡大へ、売上高20億ドル目指すAdvantechがイベントを開催(2/3 ページ)

Advantechは2019年12月12〜14日に台湾の本社で、組み込みIoT(モノのインターネット)をテーマに事業戦略や製品を紹介するイベント「2020 Advantech Embedded-IoT World Partner Conference」を開催。CEOのKC Liu氏は、Advantechが力を入れるIoT向けソフトウェアプラットフォーム「WISE-PaaS」の成長戦略などを説明した。

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ソフトとハードの融合でエッジAIの導入を容易に

 AdvantechがIoTとともに力を入れるのがAIである。イベントでは、エッジAI向けのアクセラレーターモジュールや推論用システム、ソフトウェアも組み合わせた顔認証用ソリューションなどを展示し、ADAS(先進運転支援システム)や部品の欠陥検知に使える画像認識のデモを行っていた。


林口キャンパスに設置したデモ展示スペース(クリックで拡大)
左=エッジAI向けの製品群とデモを展示していた。ほとんどがエッジでの推論向けだが、「AIR-300」については学習も行える/右=エッジAI向けのアクセラレーションモジュール「VEGA」シリーズ。同シリーズについては、Intelが2019年11月に発表したばかりのエッジAI向け次世代プロセッサ「Movidius VPU(開発コード名:Keem Bay)を搭載した「VEGA-341」を2020年にリリースする予定だ(クリックで拡大)

 エッジAIの具体的なアプリケーションとして、部品の欠陥の有無を画像認識で判別するデモも展示した。アームロボットで部品をつかみ、カメラの所まで持っていくと、撮影した画像から推論で欠陥の有無を判別する。欠陥の有無を判断する学習と推論の両方を、Advantechの「AIR-300」で行っている。

左=部品の欠陥を画像から判別するデモ。ロボットアームはAdvantechのパートナーであるTechmanの製品/右=4カ所に欠陥があると判断した(クリックで拡大)

 Liu氏は基調講演で「AIをサポートすべく、エッジからクラウドまでエンド・ツー・エンドでソリューションを提供する」と述べたが、それを特徴づけるのが、2020年に発売するプライベートクラウド「WISE-STACK」だ。オンプレミスのプライベートクラウドを構築できるシステムで、AIモデルや、エッジAIで収集/解析したデータのセキュリティをエンド・ツー・エンドで強化したいという要望に応えて開発したものだ。WISE-STACKにはWISE-PaaSが搭載されていて、ユーザーは、WISE-STACKに接続した全てのデバイスを、WISE-PaaSを介してシームレスに統合することができる。


「WISE-STACK」の概要(クリックで拡大)

イベントで展示されていたWISE-STACK(クリックで拡大)

 AdvantechのEmbedded-IoT事業部でアソシエイトバイスプレジデントを務めるStephen Huang氏は、エッジAI分野における同社の強みとして、「ハードウェアとソフトウェアの融合」を挙げる。


AdvantechのStephen Huang氏

 「AdvantechのエッジAI向けハードウェアは、かなり成熟している。当社は、IntelのVPU、CPU、NVIDIAのGPUという、推論に必要なアクセラレーターチップを搭載した基本的な製品をそろえている。さらに、学習向けのサーバである『SKY』シリーズも提供している。併せて、データ解析結果を学習済みモデルとともにWISE-PaaSに実装するためのツール『WISE-PaaS/AFS(AI Framework Service)』もある。このように、ハードウェアとソフトウェアを統合した、総合的なプラットフォームを持つことで、“エッジAIを試してみたいが、どうすればいいのか分からない”というユーザーは、容易にエッジAIを導入できるようになる。こうした取り組みの一つ一つが、さまざまな業界のデジタルトランスフォーメーションを進めると確信している」(Huang氏)

 Huang氏は、2020年におけるエッジAI分野での売上高について「1億米ドルを目指す」と述べた。

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