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ネットにつながる改札機で新しいMaaSを、ドコモの5Gイベント商用化を今春に控え展示にも熱(2/2 ページ)

NTTドコモ(以下、ドコモ)は2020年1月22日、2020年春に商用サービスを開始する5G(第5世代移動通信)をはじめ、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などを活用した同社およびパートナー各社が手掛けるソリューションを展示するイベント「DOCOMO Open House 2020」の開催に先立ち、報道機関向けに公開した。

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曲げてアンテナに

 ミリ波用の誘電体導波路を曲げてアンテナ代わりにしてしまう、というデモも展示した。

 デモに使用した誘電体導波路は、そもそもは装置とアンテナを接続するケーブルで、プラスチックの誘電体に電波を“閉じ込めて”伝送している。ところが、ケーブルが真っすぐ、あるいは緩やかに曲がっている状態であれば外部に漏れずに伝送される電波が、ケーブルを一定以上の角度に曲げると、外部に漏れ出てしまう。つまり、“電波を発する”ことになる。

 今回のデモはこの現象を利用し、60GHz帯の電波を搬送するケーブルを曲げて即席のアンテナにするというもの。タブレット端末がその“アンテナ”を使ってインターネットに接続されている様子を示した。

左=ケーブルの全体図/右=ケーブルを曲げて“アンテナ”にした箇所にタブレット端末を近づけると、映像が再生される。ケーブルが真っすぐな所にタブレットを持っていくと、電波が漏洩(ろうえい)していないので通信が切れ、映像の再生が止まっていた(クリックで拡大)

 ドコモは、「ミリ波の電波は遮蔽物に弱い。電波が届きにくい所で、この"曲げてアンテナ”を利用すれば、5Gネットワークを局所的に構築することが可能になる。5Gネットワークエリアの隙間を埋めるような感覚で使えるのではないか」と述べた。

スマートグラスで遠隔業務支援

 サン電子は、スマートグラスを使用した製造現場などにおける遠隔業務支援を行うためのソリューション「AceReal(エースリアル)」のデモを展示した。デモではドローンを使用した鉄塔の点検業務を想定。ドローンが撮影した画像を、ネットワークを介してスマートグラスに送信し、スマートグラス上に表示する。これまでは、撮影した画像は手元のコントローラーに表示するシステムが多かった。そのため作業者は、上を見上げて空中のドローンの位置や姿勢を確認しつつ、手元も見て撮影画像を確認していた。スマートグラスを使えば、撮影画像を見つつ、スマートグラスを通してドローンも見られるようになる。

 サン電子は、スマートグラス「AceReal One」や業務支援アプリケーション「AceReal Apps」、ソフトウェア開発キット「AceReal SDK」、サポートを一気通貫で提供している。既に約100社への提供実績がある。そのうちの大多数が製造業の企業だという。現在は、Wi-Fiに接続してAceReal Oneを使うことが多いが、サン電子は5Gに接続する実証実験も行っている。

左=サン電子のスマートグラス「AceReal One」/右=ドローンで撮影している映像は、スマートグラス上に、このように表示される(クリックで拡大)
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