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世界初、「完全固体型」色素増感太陽電池を発売へカラフル、半透明化も実現(1/2 ページ)

リコーは、「第19回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(2020年1月29〜31日/東京ビッグサイト)で、電解液を固体材料のみで構成した完全固体型色素増感太陽電池モジュール「RICOH EH DSSC シリーズ」を公開した。2020年2月下旬から順次販売を開始する予定で、同社によると完全固体型の色素増感太陽電池モジュールを発売するのは「世界初」だ。

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 リコーは、「第19回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(2020年1月29〜31日/東京ビッグサイト)で、電解液を固体材料のみで構成した完全固体型色素増感太陽電池モジュール「RICOH EH DSSC シリーズ」を公開した。2020年2月下旬から順次販売を開始する予定で、同社によると完全固体型の色素増感太陽電池モジュールを発売するのは「世界初」だ。


完全固体型色素増感太陽電池モジュール。右から「DSSC5284」、「DSSC2832」、「DSSC1719」(クリックで拡大)

「有機感光体」の技術で実現

 色素増感太陽電池とは、色素の可視光吸収を利用して発電するデバイスで、微弱な光でも効率よく発電することができる。表面に有機色素を吸着した微小な酸化チタン粒子からなる多孔質膜を形成した透明導電性基板と、金属薄膜を形成したガラス基板の間にヨウ素系電解液を封入した構造が一般的だが、液体の電解液を用いることからヨウ素や有機溶媒の揮発、電解液漏れなどの安全性/耐久性に課題があった。リコーは、複合機開発によって培ってきた有機感光体の技術によって、この課題を解決している。

 具体的には、従来の電解液部分に、有機感光体材料と類似した「有機P型半導体」と固体添加剤をホール輸送性材料として利用。独自の製膜技術を用い、酸化チタン粒子の多孔質膜内部にこのホール輸送性材料を高密度に充塡(じゅうてん)することに成功し、全固体化を実現した。これによって従来の液体を用いるタイプと比較して安全性、耐久性にも向上。耐久性については、「アモルファス太陽電池と同等で、5〜10年は利用できる」(説明担当者)という。

 また、一般的なヨウ素を用いる色素増感電池に比べ、より深いエネルギー準位を有する有機P型半導体を用いたことで、高い開放電圧を得ているうえ、室内光源の波長に適した有機色素を選定することで、高い短絡電流密度を確保。さらに、固体添加剤やデバイス構造の最適化によって発電ロス抑制も実現しており、「倉庫などの明るさの十分でない場所でも高効率の発電を可能にする」と説明している。

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