「ネット商社の重要性高まる」、日本でも好調なマウザー:自動化に注力した新倉庫も建設中(1/2 ページ)
半導体/電子部品のディストリビューターMouser Electronics(以下、Mouser)の日本法人マウザー・ジャパンは2020年2月4日、記者説明会を開催し、2019年の業績について説明した。
半導体/電子部品のディストリビューターMouser Electronics(以下、Mouser)の日本法人マウザー・ジャパンは2020年2月4日、記者説明会を開催し、2019年の業績について説明した。
Mouserの日本担当バイスプレジデントで、マウザー・ジャパンの総責任者も務める勝田治氏によると、2019年の電子部品EC(Electric Commerce)世界市場は約1兆円。そのうち約70%は、欧米系のインターネット商社4社(Mouser、Digi-Key、RS Components、Farnell)が独占しているという。勝田氏は電子部品EC市場の成長について、「開発のスピードアップがますます要求される中、“いつでもどこでも、必要な分だけ素早く”電子部品を購入できるところが強みになっているのだろう。特に、現在のように新型コロナウイルスなど感染症が発生してしまうと、ECの重要性が高まっている」と述べる。
日本は4年連続成長
Mouserは過去十数年、売上高を右肩上がりで伸ばしてきた。2018年の売上高は19億米ドル。勝田氏によれば、2019年は前年比で、ほぼ横ばいだったという。
地域別に見ると、APAC(アジア太平洋地域)が−9%と、減少幅が最も大きかった。顧客別では大手のEMS(電子機器製造受託サービス)への販売実績が減少した。「2018年は電子部品が深刻な不足に陥り、それによってEMSからの購入が大幅に増加した。だが2019年はその余波で景気が低迷し、購入が減少した。その減少幅が、2019年の全体の売上高に影響を及ぼし、ほぼ横ばいという結果になった。APACの売上高減少幅が大きかったのも、アジアに生産拠点を置いているEMSが多いからだろう」(勝田氏)
一方、日本国内での業績は好調で、4年連続のプラス成長となった。勝田氏は「国内の競合他社は前年比10%前後のマイナス成長だったが、マウザー・ジャパンは+10%程度の成長を遂げた」と述べる。主な成長要因は新規の顧客数が増えたことだ。展示会への出展やマクニカとのコラボレーションの推進といったマーケティング活動を強化し、4年連続、年率2桁で顧客数が増えている。「ようやく知名度が上がり、顧客数が増えたことが販売実績の増加につながった。また、当社には中小企業の顧客が多く、そうした企業は大手企業の業績低迷の影響を受けにくかったり、新規の設計なので景気に関係なく部品の需要が続き、そうした需要を当社で取り込めたりといったことも、売り上げ増の要因になったと分析している」(勝田氏)
2019年第3四半期には、米国からの直接販売だけでなく、マウザー・ジャパンを通しての国内販売がスタート。日本の銀行でも支払いが可能になったので、日本の顧客にとって利便性が上がった。さらに、ソニー、日本電産、スタンレー電気、日立化成、双葉電子工業などの新製品取り扱いも開始した。
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