5Gインフラでシェア拡大狙うIntel、4製品を発表:初のストラクチャードASICも(1/2 ページ)
Intelは2020年2月24日(米国時間)、5Gインフラ向けに、新しい「第2世代Intel Xeonスケーラブル・プロセッサー」の他、「Atom P5900」、ストラクチャードASIC「Diamond Mesa(開発コードネーム)、イーサネットNIC(Network Interface Card)「イーサネット 700シリーズ・ネットワーク・アダプター」を発表した。
「MWC 2020」で発表するはずだった新製品
Intelは2020年2月24日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)インフラ向けに、新しい「第2世代Intel Xeonスケーラブル・プロセッサー」の他、「Atom P5900」、ストラクチャードASIC「Diamond Mesa(開発コードネーム)、イーサネットNIC(Network Interface Card)「イーサネット 700シリーズ・ネットワーク・アダプター」を発表した。なお、これらの新製品はもともと、新型コロナウイルスで中止となった「MWC(Mobile World Congress) 2020」で発表する予定だったものだ。
Intelの日本法人であるインテルは同年3月17日に、オンラインで記者説明会を開催。インテルの執行役員常務 技術本部 本部長の土岐英秋氏が上記4製品の詳細を紹介した。
新しい第2世代Intel Xeonスケーラブル・プロセッサー(以下、Xeon)は、前世代品に比べて平均で36%、1米ドル当たりでは平均42%高いコストパフォーマンスを実現している。さらに、第1世代のXeon同様、推論を高速化する技術「インテル ディープラーニング・ブースト」をサポートする。「当社内のデータではあるが、競合のCPUプラットフォームに比べて推論の性能が最大で6倍向上する」と土岐氏は述べる。NFV(Network Functions Virtualization)の処理性能も、前世代のXeonに比べて最大58%向上したとする。Xeonは既に提供を開始している。
Atom P5900は、基地局で使うことを前提に設計された製品で、広帯域、低遅延を実現するための技術を1パッケージに搭載した、10nmプロセスのSoC(System on Chip)だ。Atom P5900の投入により、IA(Intel Architecture)を無線基地局にまで拡張することを狙う。
負荷を動的に分散する「インテル ダイナミック・ロード・バランサー」の導入により、ソフトウェアベースのソリューションに比べ、パケット処理のスループットが最大3.7倍に向上するという。暗号化や認証、データ圧縮などをハードウェアで処理する「インテル QuickAssistテクノロジー」を搭載したことで、同じくソフトウェアベースのソリューションに比べて、暗号化スループットが最大5.6倍になる。
土岐氏は「5Gの可能性を最大限に引き出すためには、Intelの製品ポートフォリオをデータセンターからネットワークに、そして最終的にはエッジにまで拡大する必要があると考えている。そのため、通信機器メーカーや通信事業者と協力し、Atom P5900を開発した」と説明した。同氏は「Atom P5900を先行して提供している顧客からは、よいフィードバックを得ている」と述べ、「Intelは当初、無線基地局向けのシリコン市場において、2022年までに40%以上を獲得すると予測していたが、1年前倒しとなる2021年には、その目標を達成できそうだ」と続けた。Intelは、Atom P5900のプラットフォームが、2024年までに600万基の5G基地局に導入されると予測している。
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