5Gインフラでシェア拡大狙うIntel、4製品を発表:初のストラクチャードASICも(2/2 ページ)
Intelは2020年2月24日(米国時間)、5Gインフラ向けに、新しい「第2世代Intel Xeonスケーラブル・プロセッサー」の他、「Atom P5900」、ストラクチャードASIC「Diamond Mesa(開発コードネーム)、イーサネットNIC(Network Interface Card)「イーサネット 700シリーズ・ネットワーク・アダプター」を発表した。
買収したeASICの技術をIntelブランドで
無線アクセスネットワーク向けのストラクチャードASIC「Diamond Mesa」は、Intelが2018年9月に買収したeASICの技術をベースにした製品だ。前世代と比較して性能が2倍、消費電力は50%減となっている。Diamond Mesaは、一部の顧客に先行して提供を開始している。
Diamond Mesaによって、Intelは無線アクセスネットワーク向けにFPGA、ストラクチャードASIC、カスタムASICの全てを提供できることになると、土岐氏は強調した。「最短の市場投入期間を求める場合はFPGA、最高の性能を求めるならカスタムASIC、そしてFPGAよりも性能を向上させたいが、ASICよりは複雑さを減らしたいというケースでは、ストラクチャードASICを使ってほしい」と同氏は述べる。
イーサネット 700シリーズ・ネットワーク・アダプター(以下、700シリーズ)は、現在サンプル出荷中で、2020年第2四半期に量産を開始する製品だ。GPSベースのクロス・ネットワーク・サービスにハードウェアでの機能強化を図ったPTP(Precision Time Protocol)を搭載し、5G向けに最適化した。土岐氏によれば、100ナノ秒の位相誤差を実現している。
土岐氏は「5Gの時代が到来し、膨大な量のデータ処理が必要になると、クラウドからエッジまでネットワークインフラにはさまざまな課題が生じる。それらを少しでも解決するために今回発表した新製品を開発した。コアネットワーク、基地局、そしてエッジ。それぞれにIntel製品をうまく活用してもらえれば」と語った。
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