HDD大手Seagateは4四半期連続で前期比の売り上げが増加:福田昭のストレージ通信(165)(2/2 ページ)
今回は、米Seagate Technologyの2020会計年度第3四半期(2020年1〜3月期)の業績を紹介する。
HDDの総出荷記憶容量は過去最大を更新
Seagateは、HDDの総出荷記憶容量と1台当たりの記憶容量(平均記憶容量)を製品分野別に公表している。製品分野は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」である。マスキャパシティ品には、ニアラインHDD、画像データ格納用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。レガシー品にはミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソールなどが含まれる。
応用分野別HDD製品の総出荷記憶容量と1台当たりの平均記憶容量、売り上げ比率の推移(2019会計年度第3四半期〜2020会計年度第3四半期)。出典:Seagate Technology(クリックで拡大)
マスキャパシティ品は総出荷記憶容量と平均記憶容量のいずれも非常に大きい。2020会計年度第3四半期(2020年1月〜3月期)の総出荷記憶容量は91.1EB(エクサバイト)である。前の四半期に比べると27.8%増と大幅に伸びた。前年同期の43.0EBに比べると、2倍を超えている。マスキャパシティ品の平均記憶容量は8.2TBである。前の四半期に比べると1.8TB増加した。
マスキャパシティ品の大半を占めるニアラインHDDの総出荷記憶容量は76.4EBである。マスキャパシティ品全体の83.9%を占めた。前四半期は68.7%だったので、ニアラインHDDの比率は15.3ポイントも上昇した。
レガシー品の総出荷記憶容量は2020会計年度第3四半期(2020年1月〜3月期)に29.1EBだった。前の四半期に比べると6.5EB低下した。平均記憶容量は1.6TBで、前の四半期と同じである。
HDD全体の総出荷記憶容量は120.2EBである。前の四半期に比べて13.3EB増え、2四半期連続で過去最高を更新した。HDD全体の平均記憶容量は4.1TBである。前の四半期に比べて0.8TB増え、4四半期連続で過去最大を更新した。
Seagateの売り上げ金額に占めるマスキャパシティHDDの割合は57%で前の四半期に比べて8ポイント上昇し、半分を超えた。レガシーHDDの割合は36%で、前の四半期に比べて7ポイント下降した。
(次回に続く)
⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- HDD大手Seagateは3四半期連続で売り上げが増加
今回はSeagate Technologyの2020会計年度第2四半期(2019年10〜12月期)の業績を紹介する。売り上げの大半を占めるHDDの市況が回復したことで、3四半期連続で売り上げが増加した。 - HDD大手Western Digitalの売上高、6四半期振りに前年比のマイナスから脱出
Western DigitalとSeagate Technologyについて、2019年10月〜12月期の業績を説明する。 - HDD大手Western Digitalの四半期業績は4期連続の減収減益
今回はWestern Digitalの四半期決算(2019年会計年度第4四半期)を紹介する。売上高は4四半期連続の減収となったものの、底を打つ兆しが見えてきた。 - 多種多様なセンサーが次世代社会「Society 5.0」を支える
「2019年度版 実装技術ロードマップ」を紹介するシリーズ。今回から、センサーを説明する。多種多様なセンサーの種類と、センサー市場を解説する。 - 電子回路を雑音から保護する積層チップバリスタ
今回から、EMC対策部品のうち、電子回路を雷サージや静電気放電(ESD)などの雑音から保護する部品を説明する。まずは「積層チップバリスタ」について解説する。