PALTEKなど3社、車両AI評価キットを共同開発:自動運転の農機や建機の開発を支援
PALTEKとサイレックス・テクノロジー、ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)は、車両AI評価キット「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」を共同開発し、受注を始めた。自動運転機能を搭載する農業機械や建設機械、搬送ロボットなどの開発を支援する。
DMP製のAIプロセッサIPなどを搭載
PALTEKとサイレックス・テクノロジー、ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)の3社は2020年6月、車両AI評価キット「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」を共同開発し、受注を始めると発表した。自動運転機能を搭載する農業機械や建設機械、搬送ロボットなどの開発を支援する。
車両AI評価キットは、サイレックスが提供する映像対応CAN/無線LANブリッジ「GDM-3250」や、PALTEKが販売するエッジAI FPGAモジュール「ZIA C3 Kit」などからなる。これらを有線LANで接続するだけで利用でき、映像AIを活用した自動化・安全ソリューションの開発と評価を早期に行うことが可能となる。
GDM-3250は、農機や建機自体の稼働情報(CANデータ)と最大4台のカメラによる周辺映像を無線LANで同時伝送するブリッジ機能を備えている。車両メーカーより提供されるアプリケーションソフトウェアと連動させれば、車両のリモート監視や操作が可能となる。屋外利用も想定しており、防塵や防水、耐震、動作温度など耐環境性も考慮した製品仕様となっている。
ZIA C3 Kitは、Xilinx製のCPUコア内蔵FPGA「Zynq UltraScale+ MPSoC」やDMP製のAIプロセッサIP「ZIA DV720」などを搭載している。同梱のSDK/ツール製品を用いると、比較的容易に学習済みモデルをAIモジュールで動作させることが可能だという。
車両AI評価キットは、2020年7月より出荷を始める予定。価格(税別)は49万8000円である。既にGDM-3250やZIA DV720を購入しているユーザーは、製品ファームウェアをアップデートすることで、車両AI評価キットが提供する機能を利用できるという。
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