京セミが光半導体の製造能力強化、工場のIoT化も:5G需要増で引き合い多く(1/2 ページ)
京都セミコンダクターは2020年6月9日、札幌市で記者説明会を開催し、同社の概要や中期戦略計画などを紹介した。
京都セミコンダクターは2020年6月9日、札幌市で記者説明会を開催し、同社の概要や中期戦略計画などを紹介した(EE Times Japanは都内からオンラインにて参加した)。
ことし(2020年)で創立40周年を迎えた京都セミコンダクターは、InGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)フォトダイオードなどの光通信用デバイスと、LEDやGaN(窒化ガリウム) UVセンサーなどの光センシング用デバイスの2つを事業の柱とする。主なターゲット分野は、光通信用デバイスが5G(第5世代移動通信)とデータセンター、光センシング用デバイスがIoT(モノのインターネット)である。
京都セミコンダクターのターゲット分野。IoTは多岐にわたるが、主にロボットなどのFA(Factory Automation)向け光センサーデバイス、紙幣認識光センサーデバイス、IH用温度センサーがある 出典:京都セミコンダクター(クリックで拡大)
光通信用デバイスの主力製品として、高速や大面積のフォトダイオードなどがあるが、5G向けには帯域30GHz対応フォトダイオードの量産体制が整っているという。帯域40GHz対応についても技術は確立している。2020年4月1日に社長兼CEOに就任した高橋恒雄氏によれば、10年後に普及が始まるとされる6G(第6世代移動通信)を見据えて、さらに広帯域のフォトダイオードについても開発を進めているという。
光センシング用デバイスでは、2020年5月26日に発表したばかりの二波長フォトダイオード「KPMC29」がある。短い波長に感度を持つSi(シリコン)の受光素子と、長い波長に感度を持つInGaAsの受光素子を同一光軸上に積層することで、400nm〜1700nmと広い感度波長を実現した製品で、外径寸法も5.7×4×1.1mmと小型な点が特長だ。高橋氏は「非常に反響が大きく、多くの問い合わせがある。当社の主力製品にしていきたい」と述べる。
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